デンキウナギ
昨日、ケツの穴からウナギが出た。
用を足したと思ったら、ウナギだった。
今日もまた腹が痛くなってきた。
またウナギが出たら、どうしよう。
不安を感じながらトイレに入った。
今日は電気ウナギだった。
電気が流れてケツが痛い。
ちくしょう、一体何が起こってるっていうんだ。
不安と共にワクワク感も込み上げてくる。
明日は一体何が出てくるんだろうか。
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なんだか今日は、ケツの穴がピリピリする。
思い切りひりだすと、全身に稲妻が落ちたような衝撃が走った。
ほんの少しの快感と、恐怖を胸に便器へ目をやると
「こいつは……」
そこいたのはデンキウナギだった。
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さすがに二日続けての電気ウナギは、体にこたえた。ひとまず肛門に軟膏を塗り、堪え忍ぶことにした。
今日は少し食材を変えてみよう。ケツからウナギが出るメカニズムは謎だけど、基本は脱糞と同じ構造のはずだ。何となく野菜を多めに摂ろう、と思った。
そして、深夜1時頃、肛門を切り裂くような雷鳴が走る。「またか」と嫌な予感を感じながらも、トイレに駆け込み、便器を覗く。と、
豆電球があった。しかもLEDだ。
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いやいや、豆電球とLEDは別物だ。豆電球には極性は無いが、LEDにはアノードとカソード。つまり+極と-極が指定され……思わず動揺して中学の理科の教科書を思い出してしまっていた。
野菜を食べたらLED。つまりエコな物が出てきた。まぁ野菜は健康に良いしな。
じゃあ、健康に良くない物なら何になるだろう?俄然興味が湧いてきた。
コーラ、ハンバーガー。思い付くジャンクフードをありったけ詰め込んだ。
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遂に来た便意。
一体何が出て来るのだろうと言う興味。
そして自分の体が心配ではあったが、勝ってしまった好奇心。これは仕方がない。
肛門を硬い物が通過していく。
実はある程度それは予想は出来ていた。
その塊にはご丁寧に「pu(済)」と書いてあった。
流して大丈夫だよな?
はい。流しました。
一体自分の体はどうなっているんだろう?
人を辞めた記憶は無いし、病院…行ってみるか。
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「肛門の炎症以外いたって健康ですよ」
「はい…?」
思わず口に出してしまった。そりゃそうだ。肛門から便以外のものが出てきたのだから。
「もし、そんなに心配なようでしたら、精神科にも行ってみてください。疲労が原因かもしれません」
疲労が原因だというのなら俺のケツの痛みは一体なんなんだ。
そんなことを思いながらも、精神科に行くことにした。
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肛門科へは一度訪れたことがある(痔)から幾分敷居は低かったが、精神科とは未知の領域だった。しかしプロならウンコウナギも朝飯前だろう。
「そうですか。辛いことは忘れてもいいんですよ」
「はい。…はい?」
人の良さそうなきっと優れた医師だと思う。ただ、ケツの痛みが変わらず主張し続けている。
「そうだ、同僚もね『ケツからウナギ』と連呼するんですよ。あいつも働きすぎ…」
藁にもすがる思いで詳しく聞いた。
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「なんと言いますかね。人間、疲れてると脳が正常に働かないんです」
「はぁ」
「よく寝てください。3日も休めば元通りですよ」
その口振りから話を信じていないことが伝わってくる。
「本当にウナギなんです!」
医師は困ったような顔をした。
「触ってみました?」
「それは……」
「気になるなら触ってみるとよろしい」
あまりおすすめは出来ませんが、と苦笑する。
結局満足な答えは得られないまま診察は終わった。
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それから、私は三日休みを取った。
1日目はゴロゴロし、
2日目はゴロゴロし、
3日目はゴロゴロした。
が、デンキウナギはそれ以降もで続けた。しかも段々と電圧が上がってきている。
そろそろまずいか…。
いや、待てよ。
食べたら出るんだろ?
だったら食べなければいいんだ!
そう思い、断食を始めた。
2日後にはもうウナギは出て来なくなった。
しかし、お腹が空いた。
私は空腹に負けてしまった。
- 完 -
作品情報
デンキウナギ
#14347
- リレー期間
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2年6ヶ月