猫ってなんて可愛いんだろ… もう全部分がチャーミングだよねっ お父さんが市場で売られていた子猫を買ってきて以来、 私は超猫好きになってしまった。 寝る時もお風呂に入る時もご飯を食べる時も一緒! だがしかし! 一つ問題が…。 あまり猫に好かれていないみたい くっ、不覚!!
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こんなに可愛がってるのに猫は私に冷たい。お母さんには猫なで声を出してすり寄るし、お父さんが帰って来ると玄関で出迎える。 それなのに、私が帰っても猫は知らんぷり。仕方ないから私からすり寄っていくと、迷惑そうに私を睨む。 そのくせ退屈になると、オモチャをくわえて来て「遊んであげる」とでも言うようにニャーと鳴く。 あ、私、好かれてないわけじゃないんだ。 下に見られてるんだ。 う、やっぱり不覚!
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こんなに可愛がっているのに猫は私に冷たい。炬燵でぬくぬくしてる妹の膝の上に自ら乗っていく。そして、ゴロゴロと喉を鳴らして幸せそうな顔をする。 それなのに私の膝の上には乗らない。仕方ないから私が乗っけると、嫌がって何処かへ逃げていく。 そのくせ夜になると、私のベッドの中に潜り込んで「一緒に寝てやる」とでも言わんばかりに暖かいお腹の近くで丸くなって寝る。 あ、可愛い…… やっぱり、不覚‼︎
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こんなに可愛がってるのに猫は私に冷たい。縁側でお茶をすするお婆ちゃんの隣で仰向けになって「かまって♡」ポーズ。お婆ちゃんがお腹を撫でると目を閉じて気持ち良さそうな顔をする。 なのに私の隣には滅多にこない。仕方ないから私の隣にはいつもオモチャを置くようにしている。 そのくせご飯どきになると、私の隣にきて「一緒に食べてやる」と言う態度でドヤ顔で隣に座る。 私完全になめられてる 不覚ぅぅう‼︎
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こんなに可愛がっているのに猫は私に冷たい。スマホをいじる兄を見つけるとお行儀良く目の前に座り、私を撮って♡とモデル気取り。兄がカメラを向けると、喜んで上目遣いでポージング。 なのに私のスマホには写りたがらない。仕方がないから不意を狙うと必ずブレる。 そのくせ充電中のときは、私の目の前に座って「今なら写真に写ってやる」と言わんばかりの上目遣いをする。 スマホの性能熟知してる んー、不覚!
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こんなに可愛がっているのに猫は私に冷たい。私の友人が遊びに来ると玄関で行儀良くお出迎えしてちょこちょこ後を尾け、大人しく撫でられると満足げに喉を鳴らしたりもする。 なのに私が便乗してちょっとでも触ろうとすると爪を出して威嚇。 そのくせ私が珍しく宿題なんぞしている時は「今なら触ってもいいぞ」と言わんばかりにノートの上に陣取ってだらける。 友人曰く「この猫人懐こいんだねー」だって …、不覚!!
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ホント、自由人で、ワガママな猫だ。 写真撮りたいのに。 でも、今年の年賀状は、この猫にしようと思っている。 デジカメで、撮影してみようと、試みた。 シャッターを押すと、フラッシュが光った。 そしたら、この猫、威嚇して、顔めがけて、飛んできた! 不覚!
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この猫、完全に私をバカにしている! 私が下手に出るから調子に乗るんだ! よし! 決めた。 猫が近寄ってきても、知らんぷりしてやるんだから! 無関心を装って、少し困らせてやる。 もう一緒にご飯も食べないし、お風呂にも入らない。布団にも入れてあげないんだから… そうして、私のツンデレ作戦は始まった。 これで少しは態度を変えるだろう…と思いきや、猫の方が私を無視し始めた。 ふ、不覚ぅ〜……
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猫に無視されながらも続いていた私のツンデレ作戦も終わりの時が来た。 要は私の我慢が限界に達したのだ。 そっと猫を抱き抱える私。妙におとなしい猫。見つめ合う猫と私。これは…まさか! そんなことはなかった。 猫が突然ボクサーさながらの猫パンチを繰り出し、モロにそれを食らった私はバランスを崩し、兄がそんな様子を撮って… 結局年賀状には、その時の写真が使われた。 不覚!! でも、やっぱり可愛いな。
- 完 -