卒業カウントダウン
好きだ好きだ好きだ!
なんで話せないんだろ…
なんで、おはよう!の一言が言えないんだろう…
なんで、じゃあね!の一言が言えないんだろう…
後1、2回しかない学校なのに、
しかも、バラバラの登校だから会うチャンスもないのに
でも、なぜか僕らは会うんだよね!
なのに話せない。目はあうのにね。
ねぇ、俺の事どうおもってる?
- 1 -
なんで話せないのだろう。
後少ししかない学校生活なのに。
会う機会がそんなにないのに。
でも、良く目が合う。
私のこともしかして、あの人も気になってるのかな。
また、今度って伸ばして挨拶すらできない。
今度目があったら、笑いかけよう。
絶対に。
ねぇ、私のことどう思ってる⁇
もしかして、君も好きなのかな⁇
- 2 -
思えば、この学校は居心地が良かった。
柔らかな光とそよ風が包み込む屋上
人の居ない、緑溢れる裏庭
テスト前の喧騒ある図書館
どれも良い思い出だ。
ただ一つだけ心残りがある。
"あいつら"のことだ。
何処ででも視線が絡みあっているのだ。もはや誰もが気付いているだろう。
何の因果かずっとあいつらの友達である俺が言うのだから間違いない。
早くくっついてしまえ。リア充め
- 3 -
学校も教師もやつらの人生のほんの一時を通り過ぎるだけ。やつらの戻ることのない場所に俺はいる。
自分もそうやって通り過ぎたし、寂しいとは思わない。ただ、教師なんかやってても、卒業だけは感慨深かい。
「おっ、あいつら…」
全くもどかしいね。俺も10年前は高校生だったからな。どうしていいか分からない気持ちをまだ覚えてる。
「なんとかならんかね」
職員室の窓の外の2人にもどかしさで目を閉じた。
- 4 -
先輩はサッカーが上手い。そりゃ部活に入ってるぐらいだし上手いけど、以上に張り切る時がある。
あの女の先輩が見に来た時だ。サッカー部はそれなりにかっこいい人が多いからギャラリーは多い。でも女の先輩は先輩を見に来てる。絶対。
先輩と目があったら照れて俯く。先輩も顔を真っ赤にする。
もう付き合ってるのかと聞いたら言葉を交わしたことさえないという。卒業間近だけど大丈夫なのか!?
- 5 -
私の大切な親友は、ずっと前からある男の子に恋をしている。
どう見たって、相手の男の子も、その子のこと好きなのに
お互いに勇気を出せなくて、こんな時期になってしまった。
私は、ちゃんと気持ちを伝えた方がいいと思うんだけど。
だって、どう見ても両思いだし。
明日あの子に、早く告ったら?って言おう。大丈夫だって、自信持たせてあげよう。
絶対大丈夫だって!
- 6 -
私は、サッカー部の彼のことが大好き。
たぶん……ううん、絶対、彼も私のことが好きなはず。
登校時間も同じだし、同じクラスになれたのも、二人の運命だと思うの。
彼は恥ずかしがり屋で、私からの視線を感じても、わざとそらすようにしてる。
今まで、一度も目があったことはないの。
クラスメートにバレたら騒がれるからっていのが、私にもわかる。
だから、彼はいつも、他の女の子と仲良さそうに振舞ってるの。
- 7 -
全く、フレンドリーってのは罪よね。
彼女は中学の頃からの腐れ縁で、よくモテていたわ。けれど奥手すぎる。
あの時から何も習わなかったの、結局何も言い出せず片思いに終わったあの思い出を忘れたの?
私は信じている、あなたは失敗を繰り返さない人だと。脈路もなく昼休みにそう言ったけれど、あの人のことだからきっと勘付いてくれるはず。
あ、どうやら彼のいる場所に向かうようね。
頑張って……。
- 8 -
あ、あの…。
うん…。
体育館裏というベタな場所で、顔を赤らめながら向かい合っている男女。経験豊富な私には、遠くから見ただけでもお似合いだとわかるぞ。
少し離れた物陰には、なるほど、彼と彼女を見守るギャラリーか。この場所からは丸見えじゃい。生徒も教師も入り混じって、皆が応援しておる。やはり、お似合いのカップルになりそうだ。
明日は卒業式。私も盛大に祝福せねば。
何故なら私は、校長なのだからな!
- 完 -
作品情報
卒業カウントダウン
#2983
- リレー期間
-
6ヶ月