鏡よ鏡

「鏡よ鏡。この世で一番美しいのは誰ですか?」 鏡の前に立って鏡の精に問い掛ける。 「いつも言ってますけど貴女ではありませんよ?もう本当、バカなんですか?」 …はい、へコまされましたー。 分かってますよーだっ! いつも鏡の精さんにヘコまされるんですっ! 本当ドSで私がしょんぼりするの楽しんでるんですよ?!うわーんっ← 「ゴホン。貴女は美しいのではなくて…その、可愛いんですよ!」 …え?

12年前

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ちょっちょっちょっと まってください??はい? 可愛い? いきなりツンデレという属性の ツンばかり受けてきた私が デレを目の前にして 戸惑っていると鏡は苦笑いした。

kahara

12年前

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「貴女、やっぱりバカですよね」 「なっ!!」 デレは一瞬だった。私はその言葉に再び落ち込んだ。どうせバカだもん。 すると鏡の精は1つ咳払いして話し始めた。 「いいですか?この世の中にはね、系統っていうものがあるんですよ」 「系統?」 「そう。まぁ、細かく分類すれば色々出てきてしまいますが、大まかには2つです。キレイ系と、可愛い系。貴女は可愛い系だと言っているんです。そして、私のタイプは…」

ひじり

12年前

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「もちろん、キレイ系です。」 この、S鏡めっ! 「でも、まぁ、あなたはかわいい系だと理解して今後の身の振り方を考え直してください。」 もしかして、いつもキレイじゃないって言ってきたのをちょっとは申し訳なく思っているのかな。 「じゃあ、ごほん。 鏡よ、鏡。この世で1番かわいいのは誰ですか?」

リッチー

12年前

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「今、私の前に立っている方です」 「本当に?」と半信半疑に聞いた。 「ええ、特に貴女のふてくされたお顔は 何とも可愛らしい」さすがに、貴女も少し 怒り気味に言い返す。 「バカになさらないで!」その時、コンコン とノックされた。「お姉様ー?」妹が早速、入って来た。「あら?思考力が弱く性格の悪さで有名な鏡さん、あなた様は何をなさっているのです?」姉とは、反対に毒を吐く妹。 鏡は黙っていなかった。

リアン

12年前

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「そのドブネズミのような顔で質問する権利はありません。いやありました、世界で一番ドブネズミのようなのは誰ですか?という質問だけは、受け付けます」 妹と同じように鏡も毒を吐きましたorz 「相変わらずの性格の悪さねぇ そう思わないお姉様」 妹も一緒に毒を吐きました 私的にはどちらも黙っていてほしいです… だけどもそういうわけにはいかず…

mdyu

12年前

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「はぁ、どうでしょうか……」 そう、言葉を濁した。 「何ですの?お姉様は私よりもこの意地汚い鏡の味方をするのですか?」 妹がそう言うと、鏡の精はまた静かに毒を吐いた。 「このドブネズミのような顔で、品も無く、心の穢れた方を貴女は擁護出来るのですか?」 何ですって、と妹が反応し終いには私を無視して口論となった。 互いに罵り合い、毒を吐き合うその姿は……。 「どちらも醜いです!!」 私はそう叫んだ。

Swan

12年前

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「みんな…喧嘩やめて…。」 ドアの向こうに弟が、泣きそうなつぶらな瞳で見つめていた。 「おや、貴方は王の跡継ぎ息子の癖に弱気で根性なしで取り柄がないダメダメ王子ではないか。」 小さい弟にさえ毒を吐く鏡。 「確かに僕は王の資格もない駄目な王子さ…。」 文句一つも言わずあっさりと答えた。弟は鏡や私達と違い、真面目で純粋の汚れない心の持ち主なの。 「でも、憎み合って争うのは良くない事だと思うよ…。」

12年前

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「そうですわ…。私達は家族です。鏡の精だって私達が生まれる前からこの家にいる家宝ですもの。皆大切で、私の宝物なんです。だから言い争いなんてやめましょう」 「…私も言いすぎました。鏡の分際でわかったような口を。申し訳ありません」 「…私も悪かったわ」 「僕ね、皆の良いところも悪いところも沢山知ってるよ。だから、皆のこと大好きなんだ!」 部屋には笑いが溢れた。皆とても素敵な顔をしていました。

ハイリ

12年前

- 完 -