未完ノベル #42450

ようやく楽しみにしていた水泳の授業が始まる。俺は胸を高鳴らせていた。この前のサッカーではライバルの熱田に負けてしまったが、得意の水泳で取り返すのだ!

張り切りながらプールに向かう俺の横で盛大なため息が聞こえた。その正体は熱田だ。

「よぅ、熱田。ため息なんかついてどないしたんや?」
「俺さぁ。俺、水泳は苦手なんだよ……怖いんだ」
「ほぅ、珍しく弱気やな。そういう時は開き直るんとちゃうんか?」

紬歌

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それより見てくれ、俺のこのゴーグル。このフレーム、色味。つけると虫の様で、めっちゃ様になる。が、熱田のリアクションは冴えない。
「そりゃ、他のことなら開き直ればそこで終わりだよ。でもさ、開き直っても水は鼻に入るんだ、痛いんだ、水泳反対」
それに学校、ゴーグルも禁止だし。
ぼそっと聞こえたそれを無視して俺はプールへと続く扉を押しひらく。そうだ、この色。この匂い。
「夏やなぁ……!」
曇ってるけど。

金春こんぺい燈

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まあええ。いくらナーバスになった熱田といえど、水に浸かりいざ勝負の場面になればいつもの熱いスポーツマンシップを思い出す事だろう。──そう睨んでいたのだが。

「はあああああ…………」
授業開始の挨拶が終わり、準備体操も済ませてシャワーを浴びる。それだけの間、実に6回も熱田は盛大にため息をついた。
「熱田!」
我慢ならず、俺は奴の肩を揺さぶる。
「そのため息やめぃ!」
こっちまで気が滅入ってくる。

“rapid”ゆりあ

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