『~2013夏フェス参加作品 テーマ「ホラー」~』 そんな書き出しで始まるパラグラフを見つけた。 どうせツイッターかなんかの内輪ノリだろ?初見のことも考えろっつーの。 適当に考えながら、俺はパラの続きを読む。 なになに、 『このノベルの続きを書かなかった貴方には、不幸が訪れるでしょう…』 なにこれレベル低っ!今時不幸の手紙かよ!? くだらねぇ、と呟いて 俺は迷わず更新ボタンを押した
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するとまた『夏フェス参加作品……』という書きだしが目に入る。 文面は違うが、こいつも同じか。 ……ったく。 どいつもこいつも、そんなに流行りに乗りたいのかね? 他の奴のご機嫌をとってブームに乗り、何が楽しいんだ? 迷わず、俺はまた更新ボタンを押した。 ……またしても、同じ書きだしのノベル。 偶然か? それとも、本当に馬鹿が多いのか? 付き合ってられない。 俺はアプリを閉じてため息をつく。
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代わりにテレビを付ける。そしてそこにもあの言葉が。 『〜2012夏フェス参加作品 テーマ「ホラー」〜』 は?テレビでも!? あれ、2012…?誤字か?何やってるんだよMHK…。 いやそんなことよりもこれは国中で広まってるってことなのか…? 思案しているとブブブと音が鳴ったかと思えばテレビの画面が切り替わった。 『100個目の物語りを目にした時あなたは…』
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テレビのコンセントを抜いた。 "ばかばかしい" 情報は選ぶものだ。 暇つぶしをするメディアはたくさんあるのだ。コーラを一気のみする。 火照った体が少しだけ冷える。 見たいものを選べばいいんだ。 パソコンの電源を入れようとして、手を止めた。 "もしも、パソコンからも『~夏フェス参加作品 テーマ「ホラー」~』の文字が見えてしまったらどうしよう" まさかな。 あり得ない。
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ホッ、いつものトップ画面だ。 さてと、あの娘のHP何か更新してるかな! 俺は【お気に入り】からあの娘へとジャン...プ? 嘘だろー そこにも見飽きた文字が、 『〜夏フェス参加作品テーマ「ホラー」〜』 するとまた、ブブブと音が鳴り画面が切り替わった。 『貴方は60個目の物語を目にしました。100個目まで、残り40個』 いやいや!物語見てないし... はっ、続きを書かないとこれは終らないのか⁈
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ふっ、まさかな…。 俺は直様パソコンを切り、昼寝する事にした。 ま、たまにはメディアから離れるのもいいかもな。そう思った時だった。 ん…ヤバい、腹が…。 さっきのコーラで身体冷やし過ぎたか? 俺はトイレに駆け込んだ。 …*•.*.• ふーっ、スッキリした〜。 俺はトイレットペーパーの端を引いた。 すると、そこには文字が書いてあった。 『〜夏フェス参加作品 テーマ「ホラー」〜 残り30個』
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おいおい、流石にこれ、なんかの事件か? 俺はうんざりして、少し外を散歩する事にした。 最近買った、新しいスニーカーをはいて、 靴紐を軽く結ぶ。 玄関を開けると、なかなかいい天気だ。 「はあぁ、こういう時こそ、リフレッシュというものが必要なのさ…」 大きく伸びをして目についたのは、チラシがはみ出たポスト… 「まさかな!」 手にした… 『〜夏フェス参加作品 テーマ「ホラー」残り20個』
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さすがに俺は怖くなり、急いで近くの公園へ行くことにした。 あそこなら木も多いしリフレッシュできるはずだ。 公園につき近くのベンチに座ろうとすると、ベンチ横の木の陰で3〜4歳ぐらいの少女が下を向いて座り込んでいた。 「どうしたんだい?」 と声をかけると、その少女はこっちを向いたと思えばすごい形相で俺を睨みつけ、こう言った… 『〜夏フェス参加作品 テーマ「ホラー」残り10個』
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これはしっかり聞いて欲しい。 ふざけず聞いてくれ。まさか、こんなことに なるなんてな…これは俺の遺書になるかもしれない。なぜなら、おれの後ろに誰かいるんだ。そいつは俺の耳もとで「9、8…7… 、、だからさいごに こんな長文メールが知り合いきたんだが、馬鹿らしいくて話にならん。昔はこんなことする奴じゃあなかったけどなあ。 お、新しいメールがきたから、じゃあな。
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