カラーズポエム

虹色 ねぇなんで、私のいる場所が先に分かってしまうんだろう。そりゃそうかいつも同じだからずっとずっと一緒だからかな。季節たちが夕日を連れてきて影が私を見つけてのびる。なんで君にここが分かったんだろう。君には秘密だったの"ズルいな君は"ごめんねだなんてやめてよそんなこと、ねぇほら見てみて影がかさなった…。

みわめわ

12年前

- 1 -

藍色 深い青に沈んで、世界が眠りについてしまったように思える。 君は月を背にして腕を広げて笑っていた。“月に手が届きそうな夜だ”どうして君はそんなに寂しそうに笑うんだろう。僕がそばにいるのに。夜が怖いのかい?それなら朝が来るまで、僕がその手を握っていてあげよう。 その冷たい両手に息を吹きかけて、君が凍りついてしまわないように……

月野 麻

11年前

- 2 -

紫色 凍える青に血気の熱意を加えた。朝日の境界線は遠く空を澄んだ色にさせて。 朝顔は君の氷を溶かしてくれただろうか。高貴な色から垂れる一粒の滴。"あなたに絡みつく"君はいつまでも僕にしがみつき、絡まる蔦のような指を離してはくれない。朝は来ない、と君はいう。朝が永遠に訪れないのなら、朝を認められないのならそれでいい。昼までシーツをかぶって眠っていよう。 毒のような甘い甘い魅惑の色。

aoto

11年前

- 3 -

茜色 燃える様な赤は、熱すぎるね。だから君は雲を作ってくれたのかい。 ほら、もうすぐ消えてしまうよ。 綺麗だね。 ああ、日が沈む。もう、すぐそこだ。 君の笑顔まで消えやしないかと心配だよ。 だから、泣いて笑って繋いだこの手は最後の時まで離しはしないで。 さあ、この目に焼き付けよう。消えてしまうこの景色を。この色を。 君の笑顔なら、いつでも見れるよね?

夏草 明

11年前

- 4 -

橙色 暖かな橙はいつだって私の傍に居てくれる。ひどく優しい温度に心まで溶けて、いつしか失くなってしまいそうだ。 何時迄も見つめてしまいそうなるけれど、それだと私ばかりで悔しいからわざと背を向ける。 下を向くと影達が風に揺られて踊っているけれど、動かない影は私の意地。 それでも後ろから包まれる温度に心を許してしまえば、もう手遅れな程に心の底まで沁みる。 ああ、とても暖かい。愛しい色に。

haco

11年前

- 5 -

桃色 汚れきった大人は淫乱な色だと言うけれど、本当は上品な甘い色。その証拠に桜や梅なんかもみんな桃色。 私の入学を祝ってくれる色、卒業を祝ってくれる色、恋愛を後押ししてくれた色。 ひらひらと舞うその桃色の断片には、一枚一枚、祝福と幸せが詰まっていると母親が言っていた。 ほら顔を上げて。 桃色のトンネルをくぐって。 そうしたら、あなたに幸せが訪れるから。

Dangerous

10年前

- 6 -

水色 冷たい色だなんて思う人もいるかもしれないけど、私はそうは思わない。 澄んでいて、美しい。 ほら。あの美しい空だって、水色じゃない。 青色だと思うかもしれないけれど、私は水色だと思う。 ほら。 あの水色の、爽やかな風を思って。 目をつぶってみて。 胸に吹きかけ、身体を通る、あの風。 そよ、そよ。 とても気持ちが良いでしょう。 こころから身体まで。澄みきっていく。 ほら。素敵でしょ。

1106

10年前

- 7 -

緑色 争いごとは好みません。いつも静かに穏やかに、ひっそりこっそり佇んで、平穏愛でるそんな色。 主役を張れるほどの派手さはないけれど、あるのとないのとじゃ雲泥の差。 "引き立て役" なんて名誉な役目でしょう。 風がそよそよ吹いてきて、木の葉をさらって揺らすとき。みんなが自然にはっとして、与えてくれる安心感。なくてはならないそんな色。

midori

9年前

- 8 -

黒色 暗さの究極を突き詰めたような暗黒。それは一見、不幸の象徴に思う事だろう。 底知れぬ穴や先の見通せぬ闇。 そこに感じるは不安のみ。 されど宇宙が黒くなければ星々の輝きは目立たなくなるはず。 人の願いや希望を託す白き光の背景。 それはまるで心広き応援者のようだ。 ダークサイドなくばライトサイドもないし、ブラックホールなくばホワイトホールもない。 黒き心の広がりこそが幸せを宿す地平なり!

- 完 -