去りし日の歌

集めても
二度と戻らぬ玉緒にて

散らしておくは
波にさらはれ

金春こんぺい燈

- 1 -

あはれかの

玉緒の切れて

散らばりし

我も戻りぬ

浜の砂子に

mui

- 2 -

淋しさに

揺れる砂子の心内

君より他に

知る者もなし

熊岡りり

- 3 -

波にさらわれ

流るるも…

また、

君に戻ると

君、想い微睡む

波の音

子守唄に寄せては

切なさに…

チェリモン

- 4 -

切ない歌を

かき消すようなさざなみに

揺れる船旅

行き先はあした

天候に

翻弄される船旅の

舵を取る君の

背中が眩しい

- 5 -

君を追い
愚かと知りつつ
飛び込んだ
うねる海原
恋と似ている。

沈み行くこの身は
どこに行こうとも
君はきえない
まぶたの裏に

まだる

- 6 -

沈み行く

この身は泥濘へとなれど

鈍るるなかれ

一握(いちあく)の光

ナゾグイ

- 7 -

君とふたり 日差しが強い
夏の日に 駆けた砂浜
足跡残して

ハートを描いたね
見つめあったね
きっと今は 波にかき消されて …

夜宮 音露

- 8 -

月の光が照つてゐた
月の光が照つてゐた

玉緒と

海と浜辺と

波の音

君と私が

夏の輪郭

nicol

- 完 -

作品情報

去りし日の歌

#1321

リレー期間

1年11ヶ月