去りし日の歌

集めても 二度と戻らぬ玉緒にて 散らしておくは 波にさらはれ

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あはれかの 玉緒の切れて 散らばりし 我も戻りぬ 浜の砂子に

mui

13年前

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淋しさに 揺れる砂子の心内 君より他に 知る者もなし

熊岡りり

13年前

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波にさらわれ 流るるも… また、 君に戻ると 君、想い微睡む 波の音 子守唄に寄せては 切なさに…

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切ない歌を かき消すようなさざなみに 揺れる船旅 行き先はあした 天候に 翻弄される船旅の 舵を取る君の 背中が眩しい

11年前

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君を追い 愚かと知りつつ 飛び込んだ うねる海原 恋と似ている。 沈み行くこの身は どこに行こうとも 君はきえない まぶたの裏に

まだる

11年前

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沈み行く この身は泥濘へとなれど 鈍るるなかれ 一握(いちあく)の光

ナゾグイ

11年前

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君とふたり 日差しが強い 夏の日に 駆けた砂浜 足跡残して ハートを描いたね 見つめあったね きっと今は 波にかき消されて …

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月の光が照つてゐた 月の光が照つてゐた 玉緒と 海と浜辺と 波の音 君と私が 夏の輪郭

nicol

11年前

- 完 -