ストーカー注意報♥︎

ストーカーって憧れる。
する方じゃなく、される方。
だってそれは、少なくとも俺に興味や好意をもっている、ということなのだから。
そんでもって、監禁とかされて手足とか縛った俺に手料理とかを『アーン』してもらうわけだ。
それが可愛い女の子だったらもう言うことは無い。

さあ、誰か俺をストーキングしてみませんか?

啊撞祗

- 1 -

思いついたら即実行だ。
俺は、ネットの掲示板に書き込んだ。
『ストーカーをして下さる女性募集!当方、17歳高校生男子です。優しく監禁して下さい。年齢は25歳ぐらいまでで。癒し系お願いします!」
よーし。あとは、レス来るのを待つだけだ。
それから俺は、日に何度も掲示板をチェックをした。
しかし、来るのはふざけた内容の物ばかりで、3日もすると流石に馬鹿馬鹿しくなってきたのだ。
だが、その翌日…

Salamanca

- 2 -

帰宅した俺は諦め半分で掲示板を開いた。

飽きられたのか、もうほとんどレスもない。
しかし、一件、こんな書き込みがあった。

『北高の、Mくんですよね?』

ゾク、と悪寒が走る。
俺は当然、こんなところに名前など出していない。

『Mくん、わたしMくんの事はなんでも知ってるよ?出席番号わ21番。席は廊下側ニ列目前から三番目。172㎝、64kg。野球部。今日もマネージャーのHさんと話してたよね』

森野

- 3 -

同じ学校の女子…とは限らないか。掲示板にはIPアドレスは公開されていない。IDは英数字の羅列。でもこの掲示板は利用したことない。
知識のあるやつなら可能かもしれない。でもそれが可能でも、俺がマネージャーと話していた事を知る事は不可能に近い。

『いつも見てるから、いつでも監禁してあげるよ♡』そう締めくくられたコメの後に、北高のMを特定しようとするものがいくつもあった。
背中の汗が気持ち悪い。

- 4 -

これは住所を特定されるという恐怖か、はたまた監禁されるという期待か。
そんな複数の感情が入り交じっていた。
確かに、俺はストーカー願望だ。だが複数名からされるのは望んではいない。
それなのにどういうことだ、ここまで俺をつけようとする人がいるではないか。
最初の不安は、なぜか自信に変わりつつあった。

翌日、早速俺はストーカーらしき行為にあった。
誰かが俺の後をつけてくるのだ、どうしてもついてくる。

Swan

- 5 -

確かに望んだ。ストーカーされたいと思った。うん。思いました確かに。
でもそれは可愛い女の子に、だ。

道端に何気なく立ってる(つもりなのであろう)オヤジどもはどいつもこいつもこっちをチラチラ見てくるし、後ろをついてきてるのもどう見てもオヤジ。しかも複数。
オヤジ、オヤジ、オヤジ!

これはもう違う。ストーカーじゃない。
これはホラーか?ドッキリか⁈

囃 鳩奇

- 6 -

「なんだよこれはぁぁぁぁ⁉︎」
つい発狂。いや、当然だ。

「「「「「「「ストーカー」」」」」」」

オヤジ達はニヤッと笑うと一斉に俺の所へダッシュしてきた。

あ、これホラーだ………。

そう自分の中で確定した時、俺はオヤジ達に何処かへ連れて行かれた。

しばらくして、ある部屋に連れて行かれた。両手両足は縛られている。

「「「「「「「監禁してアゲる」」」」」」」

死んだ方がマシだよ。

moti

- 7 -

おぞましいオヤジ共に囲まれ、俺は嫌悪と恐怖を覚え始めた。
するとオヤジの一人が後ろからキツく目隠しをしやがった。俺は身体の自由と一緒に視界迄も奪われ、暗闇の中で益々恐怖に包まれた。

やがて、自分の周りに人の気配が無くなったのに気付くと、今度は妙な心細さ迄がのし掛かって来た。

闇の中、身動き出来ない恐怖と不安。
監禁の恐ろしさを感じ始めた時、唐突に女の子の囁きが耳を擽り、そして俺の心を凍らせた。

真月乃

- 8 -

「M君…私の大好きなM君…やっと、二人きりになれたね…」
誰だこの声……?
…ま、さ、か。
「あの掲示板の書き込み、見てくれた?そう、私はマネージャーのHよ。M君のことがずっとずっとずっとズット好きだったの」
確かにHからは被害を受けていた。
毎日毎日告白される日々。断っても終わらない。そう、あの日も。
「M君………」
あぁ、俺があんな事考えなきゃよかったんだ。

「コレデズットイッショダネ♥︎」

ゆうま

- 完 -

作品情報

ストーカー注意報♥︎

#7017

リレー期間

6ヶ月