私、浮気しちゃいそうです。

ああ、心臓が破裂しそう。 何もしなくても頬が勝手に緩んでいく。 メール、こないかな。なんて、そんなことまで考えてしまう。 今日は話しかけてもらっちゃった。明日の席替え、近くになれたらいいな。 何をするにも、あの人のことが頭から離れない。 やばい、もう恋する乙女大爆発中じゃない、私!! まぁ、私彼氏いる身ですが何か。 まぁ、平たく言えば完全なる浮気になりますが何か。

こてつ

13年前

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新田という女子の近頃の俺に対する態度が明らかにおかしい。 前まではただのクラスメイトとして事務的なやり取りを交わす程度だったが、向こうは何かと俺自身の身の上話を聞き出そうとしている。なんで? 弱みでも握ろうとしてんの? 話しかければ、彼女は瞬きを一切せず、普段の鷹揚とした物腰からは想像できないくらいテンパっている。 ちょっと怖いからこれからは距離を置い......席替え隣になったああああ!

13年前

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キタァァァァアアアーーー!!!! まさかのとなり!! 何というクジ運!!いいのかしら⁉ うれしい! もう何もいらない! 今の彼氏もいらない!! 発狂しそうになるのを何とか抑え、机と椅子を移動し、彼の隣へ。 制服の中は尋常じゃない汗… いやだ、クサイと思われたら生きていけない! 冷静を装い、「隣になったね。よろしく。」 今の私には精一杯の言葉だ。

battamon

13年前

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「こちらこそ」 それが俺の精一杯の社交辞令。 宜しくなんて願い下げというのが本心。 新田はクラスの中では可愛い部類だ。 普段なら悪い気はしないだろう。 が、しかし! 俺の事を調べているかもしれない女 子と宜しくなんて思うはずもなく、朝当番も一緒となると気がきじゃない。 そもそも、いつからだったろう・・ 新田の様子がおかしくなったのは あの日以降だと思うが、あの時は・・・

noname

13年前

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私はその日、掃除当番で飼育小屋に来ていた。ただし、一人。一人だ。 「ごめ〜ん、今日ちょっとカレシと予定あってぇ、だからぁ、掃除当番一人でヨロシク〜」 え、ちょっと…と思ったときには彼女の姿はなかった。てかしゃべり方がムカつくんですけど。 「はあ…」 真面目な私は仕方なく一人で掃除をはじめた。そう、まさにその時、彼が現れたのだ! 「うわ、お前一人かよ。可哀想だから手伝ってやるよ」

fusuke

12年前

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その日、沢村にドタキャンされた俺はなんとなく新田に声をかけた。 「えっ、ありがとう。」 はっとした表情で新田は答える。 「当番もう一人は?」 「園田さんだけど彼氏と予定があるとかで」 「まじ⁉沢村そんなこと言ってなかったくせによー」 「えっ、園田さんの彼氏って沢村君なんだ」 新田は手を口にあてて驚いている。 あとはそんなに話してないような気がするけど…あっ!!! こいつ、沢村が好きなのか⁉

noname

12年前

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神!マジで神!一人寂しく掃除していた私に、救いの手を差し伸べてくれるなんて!! 「なぁ、新田って沢村のこと好きなの?」 えっ⁉沢村くん?いいえ、私が好きなのはあなただけ。今の彼氏なんてどうでもいい。あなたがいれば、私は他に何もいらない。 そして今 「なあ、新田って好きな奴とかいるの?」 なにこれ⁉恋愛フラグ!!⁉ 「わ、私は、その・・・」

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今日の新田は大丈夫なんか? さっきから、かなりテンパってる… 「彼氏は、いるんだけど…」 …あ、これ話題しない方がよかった感じ⁉ 「あーわりわり、そいやs-」 「うぅうん!そうなんだけどね‼」 「、うん、」 なになになに⁉ 話題変えたかったのにいきなり直球で進めてきたぞ⁈ 「最近あまり、楽しくないんだよね〜」 新田が何かを隠すように笑顔を俺に向けた。 「恋人だと、色々あんだろうな」 すると、、、

Air

12年前

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私は、ふと目の前の彼から視線が離れなくなった。 「私がもし、貴方の事が好き… って言ったらどうする?」 自分がなにを考えてるのか分からないまま、そう問いかけた直後に、私は彼の顔へと自分の顔を近づけて… 唇を重ね合わせてしまった。 「ちょっ…、お前、何してんの!?」 顔を離すと、そう彼は問いかけ、その場を去って行った。 その時から、私は彼の事が好きになってしまった。 …彼と付き合おうかな?

し ば こ

12年前

- 完 -