スプラッシュ

ガチャン。 学校の帰り道、近くにある自動販売機でサイダーを買った。 ご機嫌でプルタブを開けると、プシュッっといい音がする。 「あれ、足立じゃん」「あ、原君」 口をつけようとする直前で、原君に声をかけられた。原君も部活帰りらしい。 陸上部らしく、日焼けをしている。 「あ、サイダーだ」 「あ」 油断をしていたら、サイダーをとられた。 そして飲み干された。 「ぁああ!!:」「ゴチ☆」

コノハ

12年前

- 1 -

「ゴチ☆」 おでこにぶつけられた、つぶつぶみかんジュース。 「代わりにそれやるよ。」 「じゃあな!。」 去って行ってしまった。 原くんには似合わない、つぶつぶみかんジュース。でも、冷たいから買った物なんだろうな。

makino

12年前

- 2 -

なぜ、みかん? みかんゆえに木になってしかたない。 気になってしかたない。 もしかしたら、原くんはみかんの花言葉に私への想いを託した…なんて思ったりもした。 花言葉は『花嫁の喜び、清純』 えっと、それは私に花嫁の喜びを与えてくれるってこと? てことは、プロポーズ? やだ!いくらなんでも早すぎるよ、原くん! もう少しお互いのことをよく知り合わなくっちゃ。

Noel

12年前

- 3 -

思えば原君との付き合いは長い。 なのに私は原君のことをあまり知らない。 高校一年の時に同じクラスで 今は高一の夏だから… あれ?そんなに長くないや! 間違えちゃった! てへぺろ! そりゃ知らないよ! 短いもの! まったく! 本当に早すぎるよ原君は! さすが陸上部だよ!速いよ!

ふみみ

12年前

- 4 -

なんてこった!!★ 勘違いも甚だしいゼ?ワタシ// たかがみかんジュースぐらいで!! しかも花言葉になんかで私ったら!! とりま冷えてるうちに飲もう せっかく貰った…からね,うん一応w プシュっ と共にいい香り〜 ごくごく…はぁ!!美味しい♪ と,そこに生徒会の田中くん登場。 「あ、つぶつぶみかんジュース」 「あ」 「いただき〜」 マジか!!そーきたか!!

non

12年前

- 5 -

飲み干され、また 「ゴチ☆」 「痛いっ」 てか、またですかー! ぶつけられたのはネクターの桃のジュースだった。 「代わりにこれあげる」 まだ忙しいのでと去って行った。 口づけジュース奪われたー! まさかっ⁉ 桃の花言葉は、『私はあなたのとりこ』 うぉーいっ!モテモテなのか私は! 初めて田中くんに会ったのはいつだっけ? 今ですよ! 混乱しながらももらったジュースの蓋を開けた。 その時!

よう(._.)

12年前

- 6 -

私の手にあった桃のジュースは原くんに奪い取られていた。原くんはジュースを全て飲み干すと私に言った。 「人からもらったものは飲んじゃいけません」 「えぇ⁈さっきは原くんが…」 すると何故か原くんの顔はみるみる赤くなっている。 照れているのか?原くんは俯いている。 「さっきの間違い…俺以外の奴から貰ったのは飲まないで…」 「やだぁーもう原くんたらっ‼」 妄想は切れてジュースはドブへ投げ入れられた。

yuta

12年前

- 7 -

ああ・・・・ やってしまった・・・・ どうしよう・・・・ せっかくの桃のジュース・・・・ 「どしたの?」 偶然通りかかったと思われる一宮くん 「え、えっと・・・・」 「ああ、ジュース無駄になっちゃったの?」 「う、うん」 「だったら、これあげる。さっき買ったやつだから、口もつけてないよ」 あれ?一宮くん炭酸飲めたっけ? まあいいや、結局サイダーが私の元に返ってきた

ヒビキ

11年前

- 8 -

空はどこまでも濃く青く田んぼの緑によく映える 「私惚れっぽいのかなぁ?」 あぜ道を通りながら呟く 「軽い女と思われたらやだなぁ〜」 冷たいサイダーを額にあて呟く プシュゥ! 夏の空に恋の音が弾けた 「やっぱりサイダーは美味しいな」

- 完 -