スプラッシュ
ガチャン。
学校の帰り道、近くにある自動販売機でサイダーを買った。
ご機嫌でプルタブを開けると、プシュッっといい音がする。
「あれ、足立じゃん」「あ、原君」
口をつけようとする直前で、原君に声をかけられた。原君も部活帰りらしい。
陸上部らしく、日焼けをしている。
「あ、サイダーだ」
「あ」
油断をしていたら、サイダーをとられた。
そして飲み干された。
「ぁああ!!:」「ゴチ☆」
- 1 -
「ゴチ☆」
おでこにぶつけられた、つぶつぶみかんジュース。
「代わりにそれやるよ。」
「じゃあな!。」
去って行ってしまった。
原くんには似合わない、つぶつぶみかんジュース。でも、冷たいから買った物なんだろうな。
- 2 -
なぜ、みかん?
みかんゆえに木になってしかたない。
気になってしかたない。
もしかしたら、原くんはみかんの花言葉に私への想いを託した…なんて思ったりもした。
花言葉は『花嫁の喜び、清純』
えっと、それは私に花嫁の喜びを与えてくれるってこと?
てことは、プロポーズ?
やだ!いくらなんでも早すぎるよ、原くん!
もう少しお互いのことをよく知り合わなくっちゃ。
- 3 -
思えば原君との付き合いは長い。
なのに私は原君のことをあまり知らない。
高校一年の時に同じクラスで
今は高一の夏だから…
あれ?そんなに長くないや!
間違えちゃった!
てへぺろ!
そりゃ知らないよ!
短いもの!
まったく!
本当に早すぎるよ原君は!
さすが陸上部だよ!速いよ!
- 4 -
なんてこった!!★
勘違いも甚だしいゼ?ワタシ//
たかがみかんジュースぐらいで!!
しかも花言葉になんかで私ったら!!
とりま冷えてるうちに飲もう
せっかく貰った…からね,うん一応w
プシュっ と共にいい香り〜
ごくごく…はぁ!!美味しい♪
と,そこに生徒会の田中くん登場。
「あ、つぶつぶみかんジュース」
「あ」
「いただき〜」
マジか!!そーきたか!!
- 5 -
飲み干され、また
「ゴチ☆」
「痛いっ」
てか、またですかー!
ぶつけられたのはネクターの桃のジュースだった。
「代わりにこれあげる」
まだ忙しいのでと去って行った。
口づけジュース奪われたー!
まさかっ⁉
桃の花言葉は、『私はあなたのとりこ』
うぉーいっ!モテモテなのか私は!
初めて田中くんに会ったのはいつだっけ?
今ですよ!
混乱しながらももらったジュースの蓋を開けた。
その時!
- 6 -
私の手にあった桃のジュースは原くんに奪い取られていた。原くんはジュースを全て飲み干すと私に言った。
「人からもらったものは飲んじゃいけません」
「えぇ⁈さっきは原くんが…」
すると何故か原くんの顔はみるみる赤くなっている。
照れているのか?原くんは俯いている。
「さっきの間違い…俺以外の奴から貰ったのは飲まないで…」
「やだぁーもう原くんたらっ‼」
妄想は切れてジュースはドブへ投げ入れられた。
- 7 -
ああ・・・・
やってしまった・・・・
どうしよう・・・・
せっかくの桃のジュース・・・・
「どしたの?」
偶然通りかかったと思われる一宮くん
「え、えっと・・・・」
「ああ、ジュース無駄になっちゃったの?」
「う、うん」
「だったら、これあげる。さっき買ったやつだから、口もつけてないよ」
あれ?一宮くん炭酸飲めたっけ?
まあいいや、結局サイダーが私の元に返ってきた
- 8 -
空はどこまでも濃く青く田んぼの緑によく映える
「私惚れっぽいのかなぁ?」
あぜ道を通りながら呟く
「軽い女と思われたらやだなぁ〜」
冷たいサイダーを額にあて呟く
プシュゥ!
夏の空に恋の音が弾けた
「やっぱりサイダーは美味しいな」
- 完 -
作品情報
スプラッシュ
#7699
- リレー期間
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5ヶ月