ぱれっと

独白 僕は白が好きだ 一点の曇りもない白 汚れのない感じが好きだ 絵を書く前が一番楽しい 汚れる前の紙が好きだ 無垢な白 無垢な子供が好きだ 汚れる前の人 『独白』と言う言葉が好きだ 白を独占してる感が好きだ むしろ、白以外嫌いだ 黒くて赤くて青くて黄色くて汚れている 白はいい 白は何もない 白は白いから好きだ

utumiya

12年前

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真紅 私は赤が好きだ 激しく燃えるような赤 高揚する感じが好きだ 熟れた苺を食べるのが一番好き 優しく透きとおる果実も好きだ 情熱の赤 情熱的な言葉も好きだ 愛の告白 『真紅』と言う言葉が好きだ 本物の赤だから好きだ だから赤以外の色はいらない 熱い血潮が流れているから私は生きている 赤はいい 赤は温かい 赤は赤いから好きだ

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碧空 僕は青が好きだ 心を深く鎮める青 澄んだ気持ちが満ちるから好きだ 空と海は二つで一つ 視界が大好きな色で溢れる 真実の青 真実を語る瞳が好きだ いつもの君 『碧空』という言葉が好きだ どこまでも青いから好きだ この世を青で染めたい 人はみな冷静に、清らかに、真実を愛するだろう 青はいい 青は騙らない 青は青いから好きだ

nicol

12年前

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純金 わたしは黄金色が好きだ 目の眩む黄金色 すべてを包む寛大さが好きだ きらめき波打つ早朝の海 始まりの予感が好きだ 恍惚の金 恍惚へと導く美しさが好きだ 指の先が微かに触れる 『純金』という言葉が好きだ 混じりものがないから好きだ 光がなくては何も見えぬ 救い、赦し、慈しむ 金はいい 金は目映い 金は神々しいから好きだ

髭鬘

12年前

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銀波 私は銀色が好きだ 星空を彩る宝石のような銀 眩しすぎないところが好きだ 私たちにいつも手を差し伸べてくれる 時には己の姿をそっくりそのまま映す 煌めく銀波 いつ何時でも輝きを失わない感じが好きだ 地では昼の時刻に太陽に照らされればいっとうに輝き、 天では夜に太陽に照らされ光る星空がいっぱいに散らばる 他の色なんていらない むしろ邪道である 銀は輝くから好きだ

やつざき

12年前

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暗黒 私は黒が好きだ 全てを塗り潰す黒 何にも染まらない強さが好きだ 黒が満ちた街に佇むのが良い 街の灯が一層目映く写る 艶やかな黒 艶やかな漆黒の髪が好きだ 白い肌によく映える 『暗黒』という言葉が好きだ どこまでも満ちる絶望感が好きだ 黒は終わりの色 全てのものは黒へと染まってゆく 黒はいい 黒は終わりであり、始まりである 黒は黒いから好きだ

miz.

12年前

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萌黄 私は緑が好きだ 生命を感じる緑 暖かな柔らかさが好きだ 甘やかに薫る春の森 空想の世界へと誘う 幼い緑 幼い新芽が好きだ 無邪気に見つめる 『萌黄』という言葉が好きだ はじまりの予感がするから好きだ 緑は優しい色 すべてを受け入れる 緑はいい 緑は薫る 緑は緑だから好きだ

朱雀 

11年前

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臙脂 僕は、臙脂色が好きだ 木の幹に宿る色 決して生きている時には見られないけれど、 内に秘めたるその血は、真紅のように、 鮮やかではないけれど、 がむしゃらさが伝わる色 そんな、臙脂色が僕は好きです

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色彩 僕らは色が好きなんだ ありふれたもの 人の心を満たす「色」が好きだ 色は心を動かす 人を動かす 世界を動かす。 「色」という言葉が好きだ 色は色々だ この世にいくらでも散りばめられている どの色も存在するべくしてしている 「色彩」はいい 色彩は世界をつくる 色は色々だから好きだ

聖柊花

11年前

- 完 -