かくかくしかじかまるしかく

「もう、アレがアレだもんで、そろそろアレして下さい」 と言って、断られた。 まあ、言いたい事は何となく分かる。 あの爺さんには俺のアレするアレが大してアレだという事なのだろう。 分かるがあの言い方はどうにかならんもんか。

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「そう言わずにあの人とアレをさせてください。お爺さんだってあの人とアレしてアレができれば長年のアレが叶うと了承してくれたじゃないですか」 娘さんが家を出てからというもの、あの人とのアレも無くなりアレを拝む事がいよいよ困難になったそうで。あんたのアレでアレしてくれと逆に頼み返されたくらいだ。 「確かにアレは欲しいが……アレの為にアレするあの人がアレを求める声が切実で、もう楽にしてやりたいんだ」

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「なるほど……すると、お爺さん。この間仰っていたアレの件は?」  アレの話は、娘さんのアレがアレできる前提で進められていたものだ。アレの話が白紙に戻るとなると、やはり。 「あぁ、アレか……。確かに、アレは諦めざるを得ないな」  爺さんは、顔のアレを2倍に増やしてアレを組んで俯く。  これは、アレだ。アレをアレしたような顔というアレだ。 「でしたら、アレの話もアレということで?」

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「アレとアレとは話が別だろう。それを言うなら先日のアレ、まだアレなんじゃないのかい?」 しまった、まさかここでアレの話の流れにされるとは…爺さんの言う事は全て正論の為、何も言い返せない。爺さんは続けた。 「…ならば分かった。アレで決着を付けようじゃないか」 「アレっていつものアレで?」 「あぁ。アレでワシがアレしたら、アレの件、よろしく頼むぞ。もしも君がアレした場合は…アレをアレしよう」

BALL

7年前

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アレでならばきっと爺さんにもアレできそうだ。 「わかりました。ですが1ついいですか?私のアレがアレになった時はアレもアレにアレしてもらいますよ。」 「いいだろう。じゃあ始めよう。」 爺さんがアレをアレにした。俺も負けじとアレをアレにアレする。すると爺さんがアレをアレした。 決定打だ。 「約束だ。アレをアレにしてもらうぞ。」 く…何も言い返せない。 俺はとうとう、娘とアレをアレする事が出来なかった。

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そうしている間にも、アレはアレにアレな感じでアレになった。 それはまるで、アレがアレにアレしたアレだった。 俺はアレをアレする様にアレした。 すると、爺さんはそのアレをアレとアレし、アレを作りあげた。 それを見た俺は、アレがアレしたアレが、アレをアレした様に見え、震え上がった。 「なあに、心配いらん。アレがアレしただけだからな」 「そうですか。俺はてっきりアレがアレになったのかと…」

hyper

7年前

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爺さんはアレなんぞを摘みながら落ち着き払っているが、今にもアレがアレを仕掛けてきそうで、俺は心底アレだった。 「若いな。若さ故のアレというアレか…」 そんな俺のアレを見透かした様に爺さんは呟きながら、なんとも言えないアレな手つきでアレのアレたる所以な部分に、スッ…とアレを差し込む。 その一手により、さっきまでアレだったものが見る見る娘のアレに思え、俺は気恥ずかしさのあまりアレを禁じ得なかった。

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さすがにアレはアレすぎる。爺さんは俺のアレをニヤリと笑った。 「お前のアレ、だいぶアレになってるな」 娘のアレを思ってアレになるのはアレだけど許してほしい。アレは防ぎようのないアレなんだから。 ところで、と俺はアレの話をする。 「いい加減アレして下さい。じゃないと帰れません。アレがないと!」 「アレ?アレって何だ?」 「アレですよアレ!」 「……アレかー!」 爺さんは合点がアレとばかりに頷いた。

Joi

5年前

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やれやれ。 これは非常にレアなケースのアレだった。口頭による伝聞と言うのはそもそもアレなことが多いが、ここまでアレだと、全て全くアレと言うこともあり得るわけで。自分なりに解読した部分を改めて書き出してみる。 「これ、この辺の件ってほんとに要りますかね?」 「まあほら、ソレはソレだから」 所長は困った顔でこれこれこうこう。 いざと言う時にはアノ手もある。 「しかし娘さん、アレして良かったよ」 あれ?

- 完 -