人生の軌跡

前だけを向いて 今日も、歩く 下は絶対向かない だって、前が見えないから 上は絶対向かない あの歌のように 涙を誤魔化すなんて 嫌だから それと、 なく必要もないから

banana

13年前

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悲しいことなんてない ただひたすらに、歩く 前に何があるのか? 分からない それでも、私は前を向く 後ろは振り返らない 過去に縛られたくないから 未来を夢見て、 私は歩く

熊岡りり

13年前

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でも、立ち止まった あえて歩みを止めた そして 恐る恐る振り返ってみた 私の歩んだ軌跡を確かめたくて 後ろを振り返らない人はやっぱりいないから この道で良かったと確かめたくて

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振り返った時に見えた景色は、 綺麗なような、汚れているような。 そんな矛盾したもので。 まっすぐとした道も、 曲がりくねった道も、 どんな形の道だって、 間違いなく私が歩んだ道。 否定はしない。 過去を否定することは、 今をも否定することだから。 そう、私はちゃんと立ってる。 まっすぐ、凛として。 また、前を向いて歩き出そう。 そうして私はまた、 前を向いた。

紡海

12年前

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歩いていると突然道が途切れた。 でも、その先にはまた、道が続いている。 私は、その途切れた所を覗いて見た。 真っ暗闇で底なんか見えない。 どうしょうか... 顔を上げると、貴方が居た。そして私を抱き上げ、その先の道へと、跳び越えてくれた。 「これからは、二人で歩こう」と、 貴方は言った。 そして、二人で前を向き、また歩き出した。

blue

12年前

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2人は前を向いて歩いていく でも、時々は立ち止まる お互いの存在を確認するために 顔を見合わせニッコリ笑ってまた歩き始める しばらくすると2人の歩みは突然遅くなった ゆっくりゆっくり 小さな宝物に歩幅を合わせて 2人は宝物のうしろを歩く 宝物が前だけ向いていられるように もし 後ろを向いてしまっても そっと 手をさしのべられるように

nopoint

12年前

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宝物…彼は立派になった。二人に助けられる事も少なくなった。 歩みは早くまっすぐ前に。 代わりに二人は少しずつ歩みがゆっくりになった。背骨も何だか曲がってきた。 彼は最初はドンドン先に進んでいった。 だけど、途中で後ろを振り返って二人をみる。そして、今度はゆっくり歩む。 二人の手を大事そうに握ってゆっくり。でも確実に。前に向かって。

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もう私たちの手助けを必要としなくなった、立派になった、大切な宝物。 次はその逆で。 今は、私たちを助けてくれる。 その宝物は新たな"宝物"を授けてくれる。 宝物たちを、いつまでも後ろから見守る。 それが、私たちにとっての1番の幸せ。 私とあなたと愛しい宝物たちと。 手を取り合って、いつまでも。 前を向いて、すすめ。 進め。

yuu*

12年前

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気がつくとあなたはすっと前に出ていた 追いかけようとすると、あなたはそっと振り向いて 先にいくからと手をふった 私の頬を伝った雫があなたの背中を撫でる すると無数の雫があなたを包んだ あなたは暖かいひかりにつつまれながら 空に向かってゆっくりとひかりの翼を広げた 私には愛しているひとがいる宝物そしてあなただ あなたを見送ってもあなたを愛し続けるし 歩きつづける

12年前

- 完 -