ドタキャン
彼女から電話だ…
やっぱり今日もなのかと電話をとる。
歯磨き粉のキャップを締め直し、彼女の声に耳を傾ける。
お腹が痛いから今日はゴメンね…
予想は的中した。またドタキャンだ。
何度目だろう…私はいつからか数えるのをやめてしまった。
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彼女は何かに付けてドタキャンする様になった。
初めの頃は心配して電話やメール、やっぱり顔を見なければと思い今から少し会いに行っても良いかと聞くもののやんわり断わられ軽くショックを受けたのを今でも覚えている。
私は徐々に彼女に対して不信感を覚える様になり彼女からの電話が少し胸をざわつかせる様になっていた。
ある時ふと最悪の言葉が頭をよぎった。
“彼女は浮気をしているのでは?”と…。
- 2 -
そうだ、そうに違いない。
仮に体調不良や急用があったとしても、あの断る数は異常だ。
数えるのをやめてしまっているが、2桁はあるかもしれない。
よし、こうなれば尾行だ。
私はそうすることにした、側から見れば最低で、気持ち悪い奴だと思われるだろう。
だが、この考えに至らせたのも全て彼女の所為だ、ためらいはない、この手で本性をハッキリさせてやる。
さて、まずは下調べだな。
- 3 -
尾行を決意した一日目。
僕は、家を引っ越した。
彼女の住むアパートの二つ隣の部屋へ引っ越した。
自分は、なにをしているんだ。
こんな馬鹿みたいなことをして。
しかし、こうなったのもすべて彼女のせい。
自分は、悪くないと言い聞かした。
普段、彼女は、7時に仕事を終え8時には、
帰宅する。
8時15分を回ったところで彼女は、帰ってきた。
今日は、特に何もないみたいだ。
そして、二日目。
- 4 -
二日目は、僕の帰りが22時をまわり彼女の帰りが何時かはわからなかった。
僕が、家に着く頃彼女の家からはシャワーの音とかすかな石鹸の香りが外へ漏れていた。何故か、自分の中で安堵の時が流れた。
こんなことなら同棲をきれだせばよかった。
明日は、デートの予定だ。
ドタキャンなら、理由を突き止められる。
僕は、半分逃げ出したい気分にかられた。
なんでこんなことはじめてしまったんだろう。
- 5 -
遂に今日になってしまった。
予想通り、彼女からのドタキャンメール…
でもこれでやっと真相を確かめられる!
暫くして、彼女が家から出て来た。何処へ行くのだろう。
すると、彼女はタクシーに乗ってしまった。おっとこれは本格的に尾けなければいけない。
自分もタクシーに乗り込み、前の車を追うように告げる。
15分後、彼女がタクシーを降りた。
その場所は……
びょ、病院⁉︎
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彼女がタクシーを降りるので、僕もそのあとを追った。
なかなか大きな病院で、ロビーも受付も混み合っている。
彼女は受付係の人と何やら会話をしたあと階段の方へ歩いて行った。
誰に会うのだろう。
見る限り、彼女が病気を持っているようではない。お見舞いか?
階段を登る彼女に気づかれないように僕も階段を登る。三階まで行くと、彼女はある病室に入って行った。
その表札を見ると、
「今村 喜一 様」
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今村喜一?
男の名前だ……。
デートをドタキャンして男と会う。
しかし、相手は入院中。
これは、浮気なのだろうか?
それとも……。
駄目だ、気になって仕方がない。
もともと、尾行するつもりで来たのだ。
会話をこっそり聞いて、疑いが晴れれば彼女のためにもなる。
そうだ、聞いてしまおう。
僕は心の中で言い訳しながら扉に近づき、そっと耳を当ててみた。
そして、聞こえてきた会話は……。
- 8 -
「あの・・」
彼女は相談事をしにきたらしい。ストーカー被害にあってるだと⁉月一で約束の書かれた予定帳が送られてくるらしい。
ふむ、危険な日がデートの日だったから僕に被害が及ばない様にドタキャンを。だが、僕は彼氏なのだから守ってあげたいと思うのだ。あの夜彼女に近づく男を撃退した時の様に。
彼女の相談はまだ続いでる。彼女は僕に相談し辛い様だから僕から聞いてあげようと思う
毎月彼女に贈るラブレターで
- 完 -
作品情報
ドタキャン
#6079
- リレー期間
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3ヶ月