from 水平線の彼方

novelnoveという海に手紙を流す 無数の文章が行きかう海 貴方の元へ届くのはいつか そんな想いをのせて 綴った文面を流す 漂流した文字達が織り成す物語に 心震え、温まり、泣く そんなシナリオが産まれるのを待ち そんな出来事が起こるのを望む

tamu

12年前

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止まった言葉に目が留まり 想いのままに手にとった 冒頭のみの物語 行方の知れぬ物語 誰へと向けたものなれど 誰へと名指す宛てはない しかし並んだ文字たちは 私に続けと囁いた 私に綴れと囁いた ならば私も一筆を したため鳥に託そうか 誰へと向けたものなれど 誰へと名指す宛てはない 遠く離れた同胞へ 名前も知れぬ同胞へ 同じ空なら届きもしよう さあ、行け鳥よ 高く飛べ

nonamenano

12年前

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海と空を超えて 文は私にも届く 僕には見えなかった 人は言う 見ようとしないからよ と私は言う 風の歌に耳をすますなら 不可能はよすがを変えて きっと貴方にも届くはず 私も言葉をしたためよう さらなる奇跡に出会いたい 結ばれていく絆を信じたい 数多に散らばる星々の 銀河の中に浮かばせる 貴方に届け 貴方に届け ちいさな暗闇より 無重力の草原へと カプセルを放った

aoto

12年前

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私の中には誰かの言葉が積もっていく 波打ち塩辛く 仰げば降り注ぎ そよそよと気づけば其処此処に 私の中の言葉が押し出され 繰り出されていく もらってばかりじゃ癪だから 送り贈る私からのギフト 染み込んでいけばしめたもの 創造の大地の肥料にどうぞ あなたの土地に合うかしら? 蒔いて 埋め込んで 糧にして

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芽吹き育つ言の葉に、皆の中から湧き出でる、語りの雫をかけましょう。 いつか、フワフワの綿の花のごとく、丈夫な 糸となりましょう。 50の音の組み合わせ。 そうして紡ぐ織物は、ふたつと同じ物はなく、私の心を魅きつける。 50の音の組み合わせ。 その可能性は、宇宙のごとく。 この一瞬も広がって、するする広がる反物のようで、私の想いはかきたてられる。 暖かいその呼びかけも、闇に導くあの語りも 全て。

ともみ

12年前

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言葉とリズムのシンクロナイズ 言葉と私のハイパーリンク 彼と彼女の不可侵領域 気づきなさってお願いだから 言葉の裏に隠された もののあはれの情の熱 キャストとゲストが言葉のワルツ お嬢さん どうぞこちらへおいでなさい 紳士の私が懇ろに エスコートをしてさしあげましょう おいたをしても 許される なぜなら扉は閉めればいいから パッタンパッタン♪ パッタンタン♪ 次の扉を開けましょう

12年前

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よく聞け 聞こえるはずだ 世界は終わりをむかえている 未来などない 醜いものに満ちあふれ あらゆる物が汚され 言葉も腐敗した 物語は語られず 歌は忘れられ 詩は陳腐なものとなった よく聞け 言葉の探求者よ 残された一握りの可能性 紛らわせではない 真実の言葉を探すのだ 美しい言葉だけで紡いだ帆を張って最後の楽園へ漕ぎ出せ 時間はない

tuzura

12年前

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社会という逆風で帆が破れ 政治という荒波が常に不安させる今、 それでも進まなければならないのか。 盲目の世の中の渡り方を教えてくれ。 誰も答えてくれぬなら、ただ只管に綴ろう。 闇に包まれた海も 明けない夜に怯える日々も 「言葉」 というランプが照らしてくれる。 それが何時か無数の光となり、長い長い夜明けになる事を信じ。 それが何時か光の帯となり、僕らを導いてくれる事を信じ。

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ここは言葉の終着点 形を成し輝く旋律も 綴られる事なく朽ちた一言も 全てここで寄り添う 貴方の言葉も居たでしょうか まだまだ仲間が欲しいかも 一つの響きが消えそうならば 二つの声で応援してみよう そうすればいつか 無数の意思は星空の如く 貴方の心を動かす煌めきとなりましょう 少し疲れたかな ゆっくりお休み下さい こんな些細な挨拶も きっと誰かを照らす光に そんな不思議な言葉達の物語

12年前

- 完 -