月曜日。 毎週必ずまわってくる日。みんなが嫌だ、と言う日。だけど、私にとってはとても特別で待ち遠しい日なのです。 そこまで書いて、うわーっと叫びながらガシガシ消す。 「どうしよう。何を書けばいいの?」 学校の国語の授業で、それぞれ詩を書いてくるように、という宿題が出された。 そんなのへっちゃら、と思っていたけど、なかなか難しい。それに、書こうとすると彼のことばかり考えてしまうのだ。
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原田先生はこの手の宿題、絶対朗読させるからなぁ。 下手な内容でクラス中の笑い者になるのだけは避けたい。惚れた腫れたを匂わせるようなものは最悪だ。地獄を見る羽目になる。 当たり障りのない、無難な詩ってどうやって書くのだろう。せめてテーマくらい決めてくれれば取っ掛かりになるのに。そもそもこれで生徒の何を評価しようと言うのか。 LINEを開く。クラスメイトで小学校の頃からの親友でもある千尋に相談だ。
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「詩の書き方教えて!」 「いいけれど、私もうまくはないよ」 「うまくなくていいの。無難さを追求したいから」 「なるほど」 理解の早い千尋は、詩の音読という未来まで読みとってくれたらしい。 「テーマはある?」 「ないけど、書こうとすると、どうしても彼のこと考えちゃって」 「彼」のことはすでに千尋に相談していた。好きな人がいるのだと。 「この際、思い切って彼のことを書いたら?」 ボンッと頭が蒸発する。
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