雪解ける星

それは、あまりにも唐突な出来事だったので私は目を疑った

空からー
『えっ?雪だるま‼︎?』

悠凛火
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手のひらサイズから、私の身長ぐらいもある大きいものまで
大中小様々な雪だるまが落ちてくる

すぐに街は雪だるまで埋まった

「な…なんなのよ、これ」

ちなみに言っておくと今の季節は夏だ
雪なんかが降る季節でもないし、ましてや雪だるまが降るような季節でもない

私は思わず窓から身を乗り出してその光景を眺めた

onogata
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雪玉として落ちてくるのではなく、『雪だるま』の形で落ちてくるのだ。
あの下がちょっと大きくて上が小さめの形の。目ん玉とか手とか付いてる『雪だるま』。

落ちても形は崩れず、地面には『雪だるま』として積もっていく。
今にも「ワハハー」などと笑い声が聞こえてきそうな顔をした大量の雪だるまは、街を埋め尽くした今も降り止む気配はなかった。
唖然とした顔で見ていた私は、気温がぐんぐん下がっていくのを感じた。

なるばなな
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「さっむ、何これ」
思わず身震いして、鼻をすする。
もう一度言うが、今は真夏だ。
真冬のようなどんより空からは、依然として雪だるまが降り続く。

窓を閉めないと、雪がーいや雪だるまが入ってきてしまう。だけど、なんとなくこのまま見ていたい気もして、私は引っ張り出した毛布にくるまりながら外を眺めた。

その時、びゅおっ、と強い風が窓から吹き込み、私は思わず「わっ」と声を出して目を閉じた。

pinoco
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風が止み目を開けると、少し遠くに今までとは比にならないほどの大きさの雪だるまが突如現れた。
その雪だるまがどんどん下に下がるにつれて高い建物を潰していく。

私の頭の中ではなぜかUFO説が浮かんでいた。いや、そんなこと考えてる場合じゃない。
このままだと学校も潰されてしまう。

noa
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だからといって、私に何ができるだろうか。

巨大雪だるまが町を潰していることはニュースにもなって、避難勧告のサイレンがうーうー鳴った。

身を守るなら、地下に逃げ込むと潰されずにすむ。けれど、今は夏の季節でもある。小さな雪だるまたちは次第に溶け始めていて、大量の雪解け水によって、地下は水没した。

このまま、テトリスのように、いつ落ちてくるかともわからない雪だるまに脅えなくてはいけないのだろうか。

aoto'
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そんな目の前のシュールな光景を見て私は思った。
このまま永遠に降り続けたら人類とその文明は滅亡するだろう、と。
雪とはいえあまりにも質量が大きいため、クッションに当たったかのように無傷ではいられないだろう。
現に目の前では雪だるまが巨大なビルを潰しているという異様な光景が繰り広げられているのだから。
クッキーの目に人参の鼻、可愛らしいその顔がとても残酷に見えた。

生傷
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すると私の目の前にひらりと一枚の紙が落ちてきた。周りを見渡しても誰もいない。もしかして空から?
その紙には太字で『納品書』と書かれている。

『Px54523星 ¥$€22様。
この度は宇宙安心配達便ご利用ありがとうございます!純TK産雪だるま10億体(サイズ指定なし)をお送りします!
なお、商品、配達地にて間違いがあった場合、下記にご連絡下さい。』

下には電話番号らしきものが書いてある。

レオニ
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 妙に見覚えのある登録名だった。

 「私じゃん!!」

 "#%¥$○<♪→〒"

 「あー、こちら宇宙安心配達便日本支部。」

 「雪だるま!10億!場所!えーと……月!お願い!」

 はぁ、とため息が聞こえ電話が切れたその瞬間、窓の外の異常気象がぴたりと止まった。

 その後、大量の雪解け水が海となった事により、我々人間は凍りついた地球を捨て月に移住する事になるのだが……それはまた別のお話。

伽藍堂 憂
- 完 -

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