未完ノベル #19458
九尾のハンは、世界の食に想いを馳せる変な性格の妖怪であった。それは何百年経っても変わらず、ハンを知る者であればそれは当たり前であった。
ハンは他人の物を気ままに掻っ攫ってゆく。それは西洋という異国の地でも、変わらぬ習慣なのだ。
森の暗い洋館の中。
「おぉ、これは美味しい…!」
「てめ勝手にプティング食うなー!」
洋館の主人である吸血鬼のエドは今日も今日とて、ハンを追いかけるのだった。
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「プティングじゃなくてプディングでしょう?てか、エド。君はその翼で飛べばいいじゃん」
あ…という呟きをハンは聞き漏らさない。
「ふふーん、もっとここを鍛えなきゃね」
ハンが自らの頭を指差して不敵に笑った時、
「じゃあ…遠慮なく!」
エドの声が真後ろから聞こえた。
「えっ⁉︎」
振り返ったハンはつまずいた。
ふぎゃ!と今日も顔面から転ぶ。
「鍛えるのはお前のようだな。そして俺のこれは“羽”だ」
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顔面から突っ伏しているハンを見ながら、エドは思った。
「コイツも変わったな」
東の大陸から来たという九尾の妖怪。
ハンの主食は人間。三日で町を壊滅させる程に食欲旺盛だった。
吸血鬼としては人間の数が減る事は死活問題だ。
この利害の対立により、エドはハンに接触を試みる。
そして、言ってやったのだ。
「人間より美味いものは、この世に沢山あるぞ」と。
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