(ああ〜、どうしよぅ。この問題わからないよー) 今、私は中学三年の期末テスト中。 みんな、鉛筆を止めずにスラスラ書いている音が聞こえてくる。 もし、今回もテストの点が悪かったら母にきっと... どうしよ、本当にヤバイ。 仕方ない。これまでの経験で編み出した 7つの秘技を使いつつ、このテストを乗り切るぞー‼
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まずは王道中の王道、秘技!鉛筆転がし!! 小学校を卒業してから封印していたこの技。 小学生の頃は誰しも一度は経験があるだろう。しかし、成功率の低さと中学生にもなってそんなこと、という恥ずかしさからやらなくなってしまった。 だが今はそんなことは言ってられない! 選択問題を探し、周りに聞こえないように静かに鉛筆を転がした…コロ…コロ… (さあ!テストの神様! 私に正解を教えてー!)
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よぉし。 (3)ペリー 物理の問題で彼の名前を聞くとはな……フッ 次は計算問題か……自分の誕生日を全部足して……
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8だな! めっちゃ長い計算式なのに,こんな小さい数でいいのか…? …と迷っても私は答えがわからないし。 お?次は英語か…… って選択問題多いではないか⁉ なんてサービスなんだ!! それなら順番に数字を書いていこうではないか!! (こんなの5分で終わるぞ……)
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あれ?選択肢が足りない...何か2回同じ単語が入るのか?じゃぁ〜ラッキー7の7を最後に、どれか当たるでしょう。 次、国語! ( )の中に言葉を...秘技!創作!! 吾輩は(救世主)である。(召喚獣)はまだ無い。 どこで(手に入れられるのか)とんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所で(クリスタルを探していた)事だけは記憶している。 何か、全問正解なんじゃないの! 次、あ〜苦手なやつだ!
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世界史だ。 これだけはマジで無理なんだよな。 しかも全部記述。 これは、やるしかない。 最終奥義『カンニング』!!! どれどれ・・・
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なるほど、ピラミッドがある国はエジプトっと…。 次は…あっ!隠された! やばい、先生もこっちを見てる! ふっ…やはり奥義はリスクが高いな。 こうなったら仕方ない、あの禁じ手を! 何も書かれていないところに50音を書いて…真ん中に消しゴムを置いて…そう、コックリさん! よし、次の解答を教えて下さい! アメリカの初代大統領の名前(5文字) 「カ」「ト」「ウ」「サ」「ン」 そうか、カトウさんか‼
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……こうして、私は期末テストを乗り切ったのだった。 鉛筆、誕生日、数字並べ、創作、カンニング、こっくりさん……あれ?秘技が一つ足りないって? それはこれから使うのだ、ふふふ…… 五時間目、世界史を最後に全てのテスト返却が終了した。 英語25点、数学18点……五教科たして102点ってとこか。 ……これはやばい!確実に怒られる! ……仕方ない、最後の奥義を使おう。 秘技!親にはテスト隠し!
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駄目だ、やはり見つかった世界史はベットの下に葬り数学はびりびりに破き国語はワイルドに飲み込んでやったのに、 期末テストの順位と各教科の点数が書かれた。用紙はあろう事か今日の夕刊と共に 今、母によって読まれ、最後の時をまっている、もう俺は助からないだろう… だがすべての同胞達に告ぐ。 運に頼っても点数は稼げないぜ‼
- 完 -