くるくると、あなたが回す度に私はドレスの模様を変える さっきまでの模様が一瞬でこんなのに変わっちゃった! きらきらと、一粒一粒が輝いている あなたが小さい頃集めたビー玉のようでしょう? あなたが覗いた先には一体どんな私が見えるのかしら あなたが覗けば私はいつでもそこにいる 幻想的な世界をあなたに見せてあげることができるわ さて、私は誰でしょう?
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万(よろず)の華を写す鏡! そう、私は万華鏡。 私のみせるドレスの模様はどれも違う。 同じにみえて何処かは違うわ。 探してみてね? さて、私の友達を紹介するわ。 この子は色んな姿をしているわね。 でもさらさら流れるのは同じ。 さらさら、流れて刻んで。 短い間しか流れないけれど、くるんと回してもう一回。 ずっと見ていても飽きないでしょう? この子は誰でしょう?
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輝く硝子界で時を刻む星砂! そう、この子は砂時計。 さらさら落ちゆく星砂と、 さらさら溜まる星砂と。 どちらに惹かれるかしら? さて、まだまだ紹介するわね。 素敵なお友達よ。 この子もくるくる回るの。 いろんな大きさをしてるのよ。 この子を見てるとね、ああ世界はなんて広くて、自分はなんて小さいんだろうって感じちゃうかもしれないわ。 旅に出たくもなっちゃうわ。 この子は誰でしょう?
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私たちのいまいる場所と青さを教えてくれる! そう、私は地球儀。 あんまり私を回しすぎないでね。 目が回るから。 次に紹介するお友達はこの子。 いつもカタカタ笑っている。 この子はなんでもできる。 絵を描き、文字を紡ぎ、時には歌を歌う。 知識も豊富で、遠く離れた世界の人と友達になることもうまいから、まるで学校の生徒会長のような人。 でも、力が出ないときはただの箱。 この子は誰でしょう?
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電子で魔法を科学する! そう、私はパーソナルコンピューター。 私があなたの知りたいことを何でも教えてあげる。 世界中に友達をつくってみない? だけど危険もいっぱい! 気をつけて! さて、私の友達を紹介するわ。 この子は迷子を助けてくれる。 くるくるまわって教えてくれる。 いつだって一点を見つめてる。 さあ、この子を連れて冒険へ。 だけど磁石は苦手なの。 この子は誰でしょう?
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北を見つめる旅のお供! そう、私は方位磁針。 何処に進めばいいのかな? あなたが迷った時も私がいれば大丈夫。まっすぐ持って、私の指差す方向を確認してね。 友達はまだまだいるよ。次はあの子。 今日もあの子は歌っている。綺麗な音を奏でている。 白黒白黒白白黒…… あの子の上で踊っている。右に左に行ったり来たり。十の小人が踊っている。 白黒白黒白白黒…… Who is she?
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十指が奏でるハーモニー! そう、私はピアノです。 私の生み出す華麗な音に、聴き入って寝たりしないでね? 私も一生懸命なんだから、あなたも真面目に聴きなさい。 残り少ない私の友達。次はやっぱりあの子かな。 あの子はみんなと喋れない。必ず言葉を発せない。 だけれど楽しい人生を、いつもみんなに教えてる。二つに広がる紙の世界に、たくさん言葉を並べてる。 さあこの子は誰でしょう?
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文字によって生み出される想像の世界! そう、私は本だよ。 私の体の一部を破ったり、 ジュースをこぼすのはやめてね。 文字の世界と貴方達の世界が シャットダウンされてしまうから。 じゃあ、私の友達を呼びましょう。 あの子は…とても良い子。 猫さんとも仲良しね。 冬の寒い朝でも、 寂しい時でも、 いつでも優しく抱きしめてくれる。 包み込んでくれる。 この子は一体…誰?
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大好きなあの人とホカホカしたい。 そんなあなたはいらっしゃい、私はおコタ、炬燵だよ。 キラキラ さらさら 大っきくくるくる カタカタ も一度くるくるピタッ ぽろろん♪白黒奏でたら パラパラ世界を旅しよう いっぱい楽しく過ごしたら あとはホカホカ あなたとふたり チクタクふたりの幸せを チクタク心に刻みましょ チクタクチクタク チクタクチクタク さてさて私は誰でしょ?
- 完 -