やっと見つけた! 貴方があのSNSを辞めてしまってから、 私はどれだけ貴方を探しまわったでしょう… このアプリの中で貴方の名前を発見した時の 私のこの喜び、嬉しさ、分かってくれるよね! 勘違いしないで、私はストーカーなんかでは無いわ これは貴方への愛なの! 貴方がこの続きの頁に、お返事の物語を綴ってくれたなら、 私はどんなに嬉しいでしょう! もう貴方を逃がさない…リアルに絡むまで!
- 1 -
「久しぶり(^_−)−☆ m○○○で友達だった あいかだよ~(*^_^*)! 覚えてる\(//∇//)\?」 フォローにメッセージを つけて送ったの! そしたら一週間くらい 帰ってこないから心配して なんどもフォロー申請してたら 申請すらできなくなって メッセージまで送れなくなっちゃった(^_−)−☆ …ブロックされたって? なわけないじゃない! 違うアカウント作って再挑戦!
- 2 -
――あぁ、またか。 鳴り止まない携帯の通知音。 見なくても分かるが、一応確認しておくか。 見知らぬ名前の奴からのフォロー通知が568件。メッセージが1389件。 ……もう、うんざりだ。 某SNSで知り合ったとか言ってるが俺はそんな所に登録した覚えがないし、こんな奴と絡んだ覚えもない。 これが所謂ネットストーカーって奴か? だったら俺にも考えがある。 逆ネットストーカーなってやる!
- 3 -
もうそろそろ700アカウントくらいになるよ〜!☆ まだ気付かないのかなぁっ? …あれ? あれあれあれ! 今度は彼の名前の沢山のアカウントからフォローされ始めてる!! 「……やっと気付いてくれたんだ…しかも私とおんなじ事してくれるなんて…やだ、嬉しすぎちゃう…‼︎」 お、フォローの次はメッセージも沢山送ってきてくれてる! どれどれ……⁇
- 4 -
『やだぁ〜、私ったら無視しちゃってごまぁんなさいね❤︎』『最近ロリポップな服にハマってるのぉ〜❤︎』『んー、ちょっとあなた。良い化粧品ご存知なぁい??』…etc ふう・・・、こんだけオカマに成りすましておけば、流石にストーカーも引くだろう。 我ながらいい出来だ。 翌日、、、 な、何故だっ、あれからストーカーからのメッセージが止まないっ! 心なしか増えているっ⁉︎
- 5 -
貴方の意外な一面を知られて嬉しい! m○○○では、そんな性癖、微塵も感じなかったけど… ―もしかして、周囲には話してない超プライベート情報? (≧∇≦)キャー♪ うれしい!うれしい! うレしい!ウれシい! うれしイ!うれ死い! 私には貴方がどんな為人であっても、全てを受け入れられる―愛があるの。 ―だからもっと貴方のことが知りたい メールを着信しました 差出人は、 ○○○探偵事務所―
- 6 -
ー〇〇様、依頼を完了致しました。 調査内容は以下に記載しています 氏名 遠藤晶子 (24) 住所 〇-〇〇-〇 〇〇町二丁目 アパート名 〇〇荘 やった! これでもう大丈夫だ。
- 7 -
次の日、家に一人の少女が訪れた。 「こんにちわ、よろしくね( ´ ▽ ` )」 甲高い声と、ロリっぽい見た目、僕はこの少女に心当たりはなかった。 ......いや、全く無いわけではない。 もしかしたら...... この少女は...... あの......
- 8 -
気づけば彼女のフリルからギラリと鋭利なものが飛び出した。 「やったァ♡これでェ… 結果的に僕は逃げることができなかった。家のドアを開けられた時…いや、もっと前から僕の運命は決まっていたらしい。 オカマ作戦も高価な情報も無意味。 薄れゆく意識の中、鈍い痛みと部屋着を染めた血の鉄臭さを感じながら最期に言葉の続きを聞いた。 …やっとォ、私のモノねぇ♡」
- 完 -