私の好きな人は、 ①かっこよくて ②笑顔がかわいくて ③頭が良くて ④ギターが弾けて ⑤作詞作曲ができて ⑥スポーツ万能 まぁ こんな感じの人に恋をした。 そして、 もうすぐ始業式… クラス替えもある… クラス替えしても、 また、一緒になれるのか。 わからない。 できれば、 一緒になりたい。
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かっこいい、って漠然としたイメージしか頭になかった。だって本物のかっこいい人は君に会うまで見た事無かったし。 初めて君を見たのは入学式の日だ。新入生代表挨拶を壇上で堂々とする君の表情はとても凛々しくて、同い年とは思えなかった。 君は気づいただろうか?一瞬だけだったけどあの時、私と君は一度目が合ったんだ。瞳に吸い込まれる、って本当の話だったらしい。 これが君と私の最初の出会い。
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でもだからと言って、それから何かが始まるわけでもなく、ただひっそりと、君を見つめているだけだった。 それでも、 君を見ているだけで、胸がときめいた。 ホンの一瞬でも目があっただけで、その日は満ち足りていた。 君が笑っていると、どんなに悩んでいても、なんとかなる気がして、自然と心が晴れた。 「ありがとう」 落ちた消しゴムを拾った時に言ってくれた一言。 まるで、世界に色が付いたようだった。
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一年生最初のテスト週間が近づくと、誰もがイライラし始めた。 でも、私は違った。 君を見ていると、テストも何もかも、世界中の不幸な出来事さえ、私は忘れる事ができた。 同じ教室で、同じ時間を過ごせるだけで幸せだった。 テストなんてどうでもいい。そんなふうに思ってた時、なぜか君は、私に言った。 「テスト頑張ろうな」 その瞬間から必死になって勉強した。 もしかして、君の瞳は私を見てくれてるの?
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君はずるい。 だって、君も私のことが好きなんだろうという期待をさせるような言葉や行動をとるから… 私は、必死になってテスト勉強をした。 君のことを思い浮かべながら… なのに、どうして⁇ 君は違う人を見ているの⁇ 彼女ができたって嬉しそうに… 私のこと好きじゃなかったんだね。 でも、気づいてしまったんだ。 君は彼女を見ずに、私を見てくれる。 君は彼女と話さずに、私に話しかけてくれるってことを…
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君は本当は私が好き─── なのに何で? なんて私は君を責めたりしない。だって君の今の恋は仮初めの恋だから。 狭い世界の仮初めの恋に、君は私を選ばないでくれたんだよね。 だから私は待てばいい。 私の高校生活は恋だけじゃないから大丈夫・・・ 部活もある、勉強もしなきゃだし、夏休みはバイトもある。 そのうち君は彼女と別れる。 君で色付いた私の世界は簡単に色あせない。
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ねえ、なんでかな?君は私を見ているんでしょ?早く迎えに来てよ。 高3の秋。今日は彼の誕生日。 放課後、今の彼女が彼にプレゼントを渡しているのを見た。 彼はそれを笑顔で受け取った。 何でムリしてるの?あなたは私が好きなんでしょ。プレゼントなんて、いらないわ。 そんなあなた好みじゃないマフラーをプレゼントするなんて、そんな女嫌でしょう? だから、そんな嬉しそうにマフラーを首にまかないで…?
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彼女と手をつないで帰らないで 本当は、その人とてをつなぎたくないでしょう❓ その人と仲良く話さないで 本当は、その女と話すのは、飽きたでしょう❓ その女にその可愛い笑顔をむけないで そいつの顔なんて、私より可愛くないでしょう❓ そいつより、私の方が彼にあってる。 彼は無理してあの女に付き合ってあげてるだけなの。勘違いしないで。 ムカつく。ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく❗️
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どうしてなの?なんであんな女と付き合ってるの?嫌なんじゃないの?わけがわからない……あ、もしかしてあの女が彼を騙してるんだ……嘘つき女め、そんなにも私に彼を渡したく無いの?クソな女ね!でも、彼は気づかない……どうしたら?ううん、本当は分かってる。 「あの女さえいなければ」 待っててね、私だけの彼。もうすぐあなたと一緒になれる。 そう言って、少女はナイフをポケットに忍び込ませるのだった。
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