白雪姫は魔女から林檎を受け取り、ほんの少しを口に含みました。 数回の咀嚼の後、口の中の林檎と唾液をペッと吐き出し、魔女を睨みつけながら、 「毒林檎でアタシを殺そうなんて、馬鹿らしい!」 と叫び声を上げ、さらに 「アタシが死ねばアンタが一番美しいだって?寝言は寝て言いな!王子と財産よこしてアンタは城に帰れ!」 と魔女を罵倒しました。 ご老人は大切にしましょう。 (白雪姫・終)
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犬はきび団子を取り出そうとする桃太郎を見て思いました。団子程度で命をかけるバカがいると思うのか、と。きじは思いました。 鳥が団子を食うと思うのか、と。猿は思いました。団子をよこすのならバナナをよこせ、と。だから彼らは一斉に言いました。 「団子なんかいらねぇよっ!バァァカ! 一人で行ってろ桃クズ野郎!!」 と桃太郎を罵倒しました。 動物にお菓子をあげるのはやめましょう。 (桃太郎・終)
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浦島太郎は、虐められていた亀を助けたお礼に竜宮城へと来ました。 豪華な食事と見事な舞を堪能すると、浦島は乙姫様にこう告げました。 「そろそろ帰らなくては」 「ではこの玉手箱を持って行って下さい。但し何があっても蓋を開けてはなりません」 「ならばいらぬ」 「え」 「荷物になるだけじゃ、いらぬ」 そう言って何事もなく帰ってしまいました。 知らない人から物を貰うのはやめましょう。 (浦島太郎・終)
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継母とお姉様達に虐められていたシンデレラは魔法使いの好意で舞踏会に行けることになりました。 ドレスとガラスの靴で身を包んだシンデレラに王子様は一目惚れ。しかし、12時の鐘が… 「ごめんなさい、もう帰らなくては」 「待ってください、せめてお名前だけでも」 シンデレラが逃げる途中に落としたガラスの靴を王子様が踏み割ってしまいました。 物は大切にしましょう。 (シンデレラ・終)
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美しい女は爺さんと婆さんに言いました。 「決して覗かないでください」と。 ですが2人はこっそり覗いてしまいました。 すると、そこには真白な鶴が糸を織り込んでいました。 「見てしまわれたのですね」 鶴の姿はその瞬間、部屋を蹴散らし襖を破り窓に突っ込んで凄まじい勢いで外へ出て行きました。 残された2人はただただ崩壊した家を見るばかりでした。 約束は守りましょう。 (鶴の恩返し・終)
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降り積もる雪の中、9つのお地蔵様が寒そうにたっておられました。 そこを通りかかった笠売りの優お爺さんは、9つのお地蔵様に、笠を載せてあげました。 しかし、最後のお地蔵様だけ足りません。 お爺さんは自分が被っていた手ぬぐいをお地蔵様につけてあげました。 次の日。 お爺さんは熱を出して倒れてしまいました。 体は大切にしましょう。 (笠地蔵・終)
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ヘンゼルとグレーテルという兄妹は、森である家に辿り着きました。 「見てごらんグレーテル!お菓子の家だよ」 「本当!素敵!」 「ちょっとぐらい、食べてもいいかな…」 空腹の兄妹はお菓子の家に近づきました。が、 「やっぱりダメよ。他人の家だし」 「そうだね」 兄妹は泣く泣くその場を離れました。そのため魔女は飢え死にしてしまいました。 餌はお皿の上に置きましょう。 (ヘンゼルとグレーテル・終)
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王子はラプンツェルに会うために魔女の真似をして塔の上に声を掛けました。 「ラプンツェル、ラプンツェル」 ラプンツェルの長く美しい髪がおりてきます。 王子は近くの木に登ると、そこからラプンツェルの髪を切り落として叫びました。 「やーい、髪の毛お化けー!」 傷ついたラプンツェルは相手を確認してから髪を垂らすことにしました。 好きな子を虐めるのはやめましょう。 (ラプンツェル・終)
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美女は人は見かけによらないと信じ、醜い姿の野獣を愛しました。 その瞬間、魔女の呪いは解け、不気味な城は美しい城へ、食器や家具に変えられた召使い達は、元の姿に戻りました。 目の前の野獣も眩しい光に包まれ、凛々しい姿に...と思いきや、そこにいるのは醜い王子でした。 『えぇ!?イケメンちゃうやん!』 物事は見かけ通りという事もあるのです。 理想を押し付けるのはやめましょう。 (美女と野獣・終)
- 完 -