僕が知ったこと 君が知って欲しいこと

「僕は大人のことが嫌いです。

ばかやろう

でも、大人がいないと僕は死んでしまいます。

どうしたらいいんでしょうか、教えてください先生。」

安元国男
- 1 -

「特別に、いいことを教えてあげよう。

実は先生も、子供の頃は大人が嫌いでした。」

虚木 幽
- 2 -

「本当ですか。大人になったら変わりましたか。

今では嫌いじゃないんですか。

僕は大人になっても周りの大人は嫌いなまんまだと思います。

それでも生きていかなきゃなりません。」

あまつぶ
- 3 -

「どうしてそこまで頑なに大人を嫌うのか、訊かせてもらってもかまわないかな?

言える範囲でいい。

そうすれば対策の仕方も見えてくるかも知れない。

大人は全員嫌いかい?

先生のことも嫌いなのかな?」

113
- 4 -

「先生はいいんです。子どもの心をまだ持ってるから。

僕は自分が子どもだったことも忘れて大人ぶる大人が嫌いなんです。

自分だって子どもの時に子ども扱いされたら腹を立ててたと思うんです。でも大人はそれを忘れてる。

僕は大人になんかなりたくない。」

まるく
- 5 -

「でも君もいつかは大人にならなきゃいけない。

そうしたら、大人になった自分まで嫌うのかい?

大事なのは、自分がどういう大人になるかじゃないのかな。

君も、子供の心を忘れないで。
大人になっても、子供の1番の理解者でいることはできるんだ。」

Blue Bird
- 6 -

「勿論です先生、僕はきっときっと忘れません。

それはそれとして、今周りの大人たちとどう折り合いをつけたらいいんでしょう。

僕は僕の心持ちを変えることはできます。自分のことだから。

でも僕が嫌うたぐいの大人は、先生のように耳を傾けてはくれないと思うのです。

僕は諦めるしかないんでしょうか。

生きていく為とはいえ、暫くはあの大人たちにおもねっていかなきゃならないなんて、たまらない」

らうる
- 7 -

「まるで期待の裏返しだ。君は本当は大人に望んだんだね。聞いてもらうこと、わかってもらうこと。

大人は経験を重ねた子供だ。積んできた経験のせいで感性が鈍っているんだ。

でも子供なら君を全て理解できるかといったらそうじゃない。結局君は君だし他人は他人だからだ。

諦めないで受け入れてみたらどうかな。大福の皮みたいに柔らかく、優しく包みこめばいい。

それに、そういう人の方が素敵だろう?」

妙子
- 8 -

「先生から貰ったその言葉があったから、僕は色々な大人達を受け入れて、そして自分も大人になった」

「だから先生は僕の言う言葉にも、耳を傾けてくれるのですね。でも何で教師になろうと思ったのですか?」

「君のように、以前の僕みたいに頑なに大人を受け入れることが出来ない人に、教えてあげられることがあるんじゃないかと思ったんだ」

「どんなことですか?」

「大人になることは、素敵なことだよ」

ryo
- 完 -

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