古都の三日月と申します。 実は私、やっと100パラに辿り着いたみたいなんです。丁度このノベルで。 私がnoveを始めたのは、2年前の秋だったと記憶しています。長い長い時間をかけて、ようやく。遅くってお恥ずかしい。 自己満足の言葉たち。 まやかしの詩とほんの少しのファンタジー。そんなもので私の文章はできています。 さて、僭越ながらお願いを。 「三日月」をテーマに詩を書いていただきたいのです。
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夕闇に 映える三日月 誰ぞ思う 明星見つめる三日月 届かぬ思いを地上に照らす 見惚れる彼方の明星に 満たされてくれるなと願いつつ 闇に紛れて若月思う
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水面に映る三日月を 眺める霞んだ朧月 満ち行く甘美な三日月を 仰ぐは白き朧月 触れた水面も 果て無き空も 夢と宵闇万華鏡 妖しき白霧 揺蕩う星に 浮かぶ三日月 君を恋う 月光孕む夜気たちが この世全てを魅せるなら ああ どうか 君を満たすは 己であれ
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翼を広げて あの月に飛ぶ 金の光 銀の夢 古の記憶を刻む時 すれ違う輪廻 朧ろげな誓い 繰り返す現 遠ざかる縁 けれど消えない 永遠の道しるべ 時は巡りて 細い三日月 澄んだ夜 見上げる瞳 古の記憶が甦る
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叶わぬ想いと知りながら 夜毎にあなたの夢を見て 宵の口にて目を覚ます 山の端にかかる三日の月 秋風薫る宵の口 いつかあなたが指差した 凛と夜に咲く天満月 去る輝きは遠く、遠く 「わたしは時知らぬ夢虫 あなたを想い朽ち果てるの」 空に溶ける 所詮、戯言 嗚呼、虚を抱く月に請う わたしの心を隠しておくれ この見え透いた心の内が どうかあなたに届かぬように どうかあなたが気付かぬように
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闇の馬上に誇る 金色の三日月兜 奥州一つを束ね 天へ登らんとす 鋭利に研いだ鋒 磨き纏し爪牙で 寝首をかかんと 独眼を走らせる 竜は風を呼んで 雲を起こしいく 欠けたる残りの 月を貪るが為に 憎むならば憎め 曇りなき空の下 派手な伊達男の 掲げる旗を見よ
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夜空を見上げ、星を探す あの日、君と見つけた星を探す 綺麗に晴れた夜空に浮かぶ三日月 その直ぐ真横で輝く小さな星 この暑い季節にだけ観れる、本当に小さな小さな星 来年も一緒に見ようと約束した でも、君はもう居ない 今日と同じような三日月の日、君は月に導かれるように消えた ねぇ、三日月 あの人は、そこで元気にしている? 伝えたい 今でも君だけを愛していると
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円弧の月夜 今宵貴女を抱きしめて 焦がれる心を水面に写す 真紅の鯉が水飛沫をあげ 光の粒が月を彩り 艶やかに存在する 指でなぞった唇のなんと美しい まるであの月の様 天に翳した掌の なんと細く儚いことか その白き指先を静かに捉え 今宵は貴女と私を優しく照らしておくれ
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きらきら輝く水面には 小さな光がゆらゆらと 二つの大きな弧を描き 優しく地上を照らします 光り輝く星たちは 思いのままに流れゆく 三日月さまに祝福を 無数の花が咲き誇る 大きな雲は身をちぎり 小さくなって会いに行く 小さな光を消さぬよう 優しい光を消さぬよう ああ三日月さまお願いです 明日も空へと祈る人 年に十二夜訪れる 三日月さまの祝賀会
- 完 -