やばい。 何がやばいって貴方。 異世界に召喚されちゃった。
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と思っていたんだが、とりあえず眠いんで寝たら、またいつもの部屋に戻っていた。 「さっきのは何やったんや…俺どうかしてたんかいな…」 俺はベッドから起き上がろうとするが、動けない。 「あれっ⁈おかしいやん⁉」 ふと鏡に見た時に、俺は目を疑った⁈ なんと、俺はデスクトップパソコンになっていたのだ! 「ええーーっ!なんっでやっねんっ??ノートやなくて据え置きかよ⁈持ち出し禁止てことかいなっ!」
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やばい。 何がやばいって貴方。 このデスクトップ、頑固親父のじゃん。
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落ち着け。落ち着くんだ俺! 冷や汗がたらりと流れる。いや、やっぱ流れてないわ。俺今デスクトップパソコンだから。 じゃなくて! 「なんで俺がパソコンになってんねん! しかもよりにもよって親父の!」 え、何。このままだと俺はデスクトップパソコンとして人生終了? しかもパソコンとしてあの親父と見つめ合うだけの人生になっちゃうのか? 「嫌や、そんな人生!」 そう思った瞬間、体全身に電流が走った。
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やばい。 何がやばいって貴方。 今の、落雷だったぽい。 しかも、マザーボード殺られたっぽい。 俺の人生って、いったい…。
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やばい。 何がやばいって貴方。 母さんの眼鏡のフレームになってるし〜 最悪や〜 母さんの顔とずっと接触か〜 勘弁してくれ〜 赤ちゃんの時ならまだしも… この年なって… 『嫌じゃあボケー』 …と叫んだ瞬間 衝撃がーーーーーー ボール当たったしぃーーーー …………んっ! あれっ?………
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やばい。 何がやばいって貴方。 弟のサッカーボールになってるし〜 なんで次から次へと物に憑依しとるんや〜 しかも家族の〜 ピー ボコッボコッ うわぁ〜痛っ!痛っ! みんなで俺を蹴るな〜! 日頃から「ボールは友達」いうてたやろ〜 友達を足蹴にすな〜! 助けて〜〜〜! ……んっ! 今度は何だ……?
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やばい。 今度こそは本当に本当にやばい。 何がって貴方。 ボケジジイの猿股・・・。 ジジイの二つの萎びたサクランボとバナナが俺の目前に・・・。 し、死にてぇ。 これなら今すぐ人生終わりてええぇぇぇ!! 凄まじい絶望を感じた俺、は泣きに泣いた。 と、ジジイが猿股を着替えた!漏らしたのと勘違いしたらしい....。 するとビリビリィっっ!!!
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やばい。 何がって貴方。 さすがに夢落ちになると思っていたのに、意識が全然俺の体に戻ってこない。 俺は物に憑依し、壊れてしまうと近くにある別の物に転生する。 次に憑依したのはボケジジイを世話する介護士の携帯電話で池ポチャ。神は物を大切にしない俺への罰だと語りかけるし、文字数制限は終わりに近づいている。 そんなに俺が悪いのか。 ー次の憑依が始まる。
- 完 -