「今日の放課後体育館裏に来てください」 そんな手紙が下駄箱にはいっていた。 放課後、人気のないところに呼び出してすることなんて決まってる・・ 告白だ。 彼氏いない歴=年齢という私は飛び上がるほど喜んだ。 とうとう私にも春がきたか・・ そして待ちに待った放課後 ドキドキしながらいくとそこにはクラス一番のイケメンが! 「あの、俺ずっときみのことが・」 「はい♡」 「嫌いだったんだ!」 え?
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「俺と別れてください!」 「いや付き合ってもいないよ!」 私は少々呆れていた 展開が予想をした周りしたせいだ 「そもそもなんで上位カーストのイケメン君がこんなひと気のない所で下位カーストの私なんかに敵対宣言をしてるの?」 「それは決まってる!」 イケメン君はまっすぐに言った 「君が可愛すぎるから嫌いなんだ!」 「……人違いでは?」 「いや君だ!君で間違いない!」 「テンション高いなー……」
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私、17年間恋愛という恋愛がなかった私に 告白される前に別れを切り出される。 そんな小説あったかな 頭の中に今まで山のようにニヤニヤしながら読んできた恋愛小説を思い出していた。 その検索結果、、、 こいつ、めんどくさいな わざわざ身に覚えない復縁を迫ろうとするつもりなんてない 相手を傷つけてしまわぬよう 別れよう、、、 「あのーわかったんで、 視界から消えてください」
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「それは嫌かな!!」 「なんで!?」 「嫌いな人の言うこと聞きたくない!!」 「駄々っ子か!!」 ...予想以上にめんどくさかった。 「じゃあ私が去るので。それじゃ」
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「行ってくれ、嫌いな君を大声で見送ってあげよう!」 と言いながら、私の前にたちふさがった。 いっていることとやっていることが正反対だ。 無視して私はずんずん歩いた。どっかで、撮影でもしているか、コソコソ隠れて笑っているんだろう。馬鹿馬鹿しい。 しかし、どこか引っかかる。彼の言動をもう一度思い返すと、不自然なくらい言葉と行動が不釣り合いなのだ。 何かの呪い?まさかね!
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「そう、それは呪いさ。間違っていないよ。」 帰りかける私に後ろから声をかけた相手はもちろんイケメン君。 振り返ると斜に構えてないのイケメン君が続けざまに言葉を重ねた。 「いま僕は奇妙な呪いにかかっている。言動と行動が正反対になってしまう呪いだ。だから、上位カーストである僕が本来なら声をかけるはずがない下位カーストの君に声をかけている。立ち去りたいのに立ち去れない。好きなのに
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好きと言えない!」 いや、言ってるから。っていうか、はあ⁉︎ 「だからって別に、君に何かしてくれって訳じゃないんだが」 ええと、それはつまり、私に何かしてほしいってこと? 「もしかして、私なら呪いを解けるから何とかしろって?」 「察しが悪いな!」 正解なのか。信じがたい話だけど……。 「じゃ、呪いを解く方法を教えて。やってあげるよ」 「それは言えない!」 そうなる訳ね。全く、一体どうすれば……。
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ん? 「それは言えない」? って事は・・・なんだ。言えるんじゃん。ったく、ややこしすぎるわ。 頭がこんがらがるばかりだわ〜、こりゃ。 「じゃあさ〜。呪いを解く方法を私に秘密にしてよ。絶対に言わないで」 そう私が言うと、途端に「呪いの反対言動イケメン」は喋りだした。 「この反対言動の呪いをかけた魔術師に、正反対の言動をしてても『愛』を勝ち得たら呪いを解いてやるって言われたんだ」 「愛ねぇ〜?」
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「魔術師いわく、わかりやすい『愛』の基準として恋人つなぎかキスと」 私は彼に元に戻って欲しい。でも呪いが解けたとき、今のように気軽に話が出来るだろうか? 「はい。恋人つなぎ、試さないで」 ぎゅっと、手と手が絡まる。 「……どう?」 「解けた」 「これは解けてないから解けたってこと? 解けたから解けたってこと?!」 混乱してると彼は言う。 「ばっちり解けたよ。だからキスは試さない」
- 完 -