時流くんのワンポイントアドバイス

ウチのクラスの女子はおかしい。 「臭いものって臭いとわかってるのについつい何度も嗅ぎたくなるよね!」 「そーそー!例えば、外したばっかりの絆創膏のニオイ!」 「「ギャー!わかるわかる!」」 「あとあとぉ、ガソリンスタンドのガソリンのニオイ。あれはハマる!」 「ウチも!あれは良いニオイ予備軍的な!」 「ぎゃははは」 …女子はもっと淑やかで高尚であるべきた。こんなガールズトークはまちがっている。

物見遊山

12年前

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例えば…こんな感じ 「わたくし、怪我をしてしまいましたの」 「あら大変ですこと!お大事ありませんの?」 「ええ、ありがとう。ほらご覧になって、可愛い絆創膏でなくて?」 「あらお花柄ですのね。お姉様のお美しさを引き立てますわ」 「それにね、香りも素敵なのですよ」 「フローラルですわね。お姉様の香りだわ」 「あら、貴女の唇も素敵な香りですことよ」 「…お姉様♡」 違っ! な、何考えてんだあたしゃ!

真月乃

12年前

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あたしゃもっとそうじゃなくてぇ!ハァハァ…女子が変なせいで俺はたまにオバサンみたいになる。 例えばこんなこともあった。 「バレンタインどうする?」 「とりまウチらのトモチョコと〜あとクラスの男子に配る〜」 「はあ?全員に?いらなくね?」 「だって憐れじゃん?貰えないって」 「まぁ松井はキモイし長田はヤバイし永井はオタ臭するし?」 「ぎゃはは…」 なっ俺かよ…(どれが俺かはご想像に任せよう)

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とりあえずバレンタインの敗北が決定した瞬間だった。母親と姉からの二つ、ありがたく頂いた。ムカつくのは、親友の広瀬がチョコを貰いまくっていたことだ。 こんな残念なまま、卒業なんてまっぴらだ。せっかくの共学だというのに、くそぅ。卒業間近の広瀬の告白ラッシュが羨ましいぜ。あんな女子共でもな! そんな卒業を控えたある日、事件は起きた。

天野そら

12年前

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週末は図書室で本を借りるのが日課だった俺は、いつも通りお気に入りの棚の前で吟味をしていた。こんな趣味の俺だからオタ臭がするとか言われるんだろう。 ...あぁ、これでさっきのうちの誰だかばれてしまったな。 ふと題名が気になった本を手に取った。面白そうだ、なんて思いながら表紙を開いた瞬間。 ぱさり 小さな封筒が落ちた。手紙だろうか。差出人はなし、宛名には「永井くんへ」の文字。 俺宛だ。

賀茂川

12年前

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俺に?どうしてこんなところにはさまっているんだ?そもそもこれは本当に俺あてなのか? 俺の頭は疑問でいっぱいだったが、とりあえず中を開けて読んでみた。 「永井くんへ こんにちは。突然ですが、手紙の中で私と付き合ってもらえないでしょうか? 手紙を開けたということは、あなたは永井くんなのでしょう。 どういうことかと怪しまれるでしょうが、私は見ず知らずの人を好きになってみたいのです。

ツルゲ

12年前

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これは近距離恋愛のような遠距離恋愛……なのだろうか? だがその中途半端な距離が何だかもどかしかった。 何も知らずに付き合ってみたいなんて、滑稽なものではないのか? そう思ったものの、少し興味があるし無視するのは流石にひどいと思い、俺は手紙の裏にこう綴った。 『俺で良ければよろしくお願いします』 そう書き、元の場所に戻した。 数日後、手紙を直した場所を見ると新たな封筒があった。 内容は……。

Swan

12年前

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「嬉しい、これから宜しくお願いします。 近い様で遠い、近距離恋愛の様で遠距離恋愛。なんだかワクワクしませんか 小説家だったらこれを中距離恋愛だなんて名前を付けるのかな。」 彼女は俺と同じことを考えている。不思議な感情が顔を出した。 早速図書館のボックス席に座り込み手紙の返事を書き始めた。 彼女の名前は どうして俺の名前を 何年生なのか 俺の容姿を知ってるのか 聞きたいことは溢れてくる。

noname

10年前

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「鶴の恩返しって知ってるか?」 声の方を向いて見ると男子が何人か話していた。その中心にいるのは最近転校してきたばっかりの時流 筆くんだ。 「鶴がなんでバレたらおじいさんの元を去ってしまったかわかるか?」 えっ理由あるのか 「それはなおじいさんが鶴が機織しているところを見て驚いてしまったからだ」 そりゃ驚くよな 「じゃあおじいさんが鶴に驚かなかったらどうなってたんだろうな」 はぁ?意味がわからない

アミバ

10年前

- 完 -