残高、一億円。

なんやかんやあって、今手元に1億円ほどあるんだが、なんやかんやあって、1週間以内に使いきらなきゃいけなくなった。

昨日まで通帳の残高は4260円だったのに、急に1億ときたものだから、ほとほと困っている。

そりゃ、もし1億円手に入ったら何を買おうって考えたことくらいある。でも。いざその状況に立つと、意外と思いつかない。

とりあえず、いいチョコレートを買った。

残り9999万9800円。

ニックネーム

- 1 -

次は何を買おうかと、なんやかんや考えながら街道を歩いていた。
すると、とある一軒のスーパーに目が留まった。…そういえば、今晩のメニューを考えていなかった。

とりあえず、色々な食材を買ってみた。

残り9999万6980円。

アリス

- 2 -

スーパーからの帰り道、俺はいい事を思いついた。何処かの施設かなんかに全額寄付してしまおう。取り敢えず何が何でも、使い切りさえすればいいんだから。
とは言っても、こんな大きなお金を動かした事など勿論無い。つまり俺は、寄付金の寄越し方すらわからないんだ。
取り敢えずスーパーの戻って、出入り口の所に設置してある募金箱に財布の中の小銭を突っ込んだ。お札を入れる勇気は無かった。

残り9999万6000円。

たまご

- 3 -

階段を上り、部屋に入る。
1K、バス・トイレ別。
そうだ引っ越そう。
買ってきたものを備え付けの冷蔵庫に詰め込んで(冷蔵庫も買おう)不動産屋に向かった。

決めた。
築半年、駅から徒歩8分、15階建て分譲マンション13階部分3LDK。一括払いキャッシュで。

その足で最新式5ドア冷蔵庫も買った。

よし、なかなか上出来の出費だ。

残り4704万8000円。

髭鬘

- 4 -

マンションには駐車場がある。
数年乗っていなかった車を買うことに決めた。あまり乗らないかもしれないが、今はとにかくこの金をなくしてしまわなければ。

メルセデス・ベンツ、S400ハイブリッド仕様。乗り心地と転がしやすさの両方で決めた。シルバーの車体が美しい。
もちろんキャッシュ一括で。

残額を使い切るために、早速車に乗って出かけてみようか。
残された時間は少ない。

残り3434万6500円。

- 5 -

乗り心地最高。俺は首都高湾岸を飛ばした。
子供の頃からの夢を思い出したのだ。
やがて煌びやかな城が見えて来た。そうディズニーリゾートだ。

「貸切。キャッシュで」チケット売場の行列が一斉に俺を注目した。
「マジカルファンタジーパーティーでございますね。3780万円です。確認させて頂きます。ひいふうみ…お客様、3,453,500円足りませんが」
パーク中がどっと笑う中、俺は退散した。

残り変らず。

真月乃

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恥ずかしさに滅茶苦茶に車を走らせたら、ふと見た辺りは見知らぬ風景だった。
どうやら、随分遠くまで来たらしい。

冷静さを取り戻し、休憩をしようと店を探すが見つからない。

すると、後部座席からガタンッと何かが落ちる音がした。

何かと思い、一旦車を止めて見てみると…
そこには、大きなスーツケースが窮屈そうに挟まっていた。

自分のものではない。
挟まっているのを直そうとすると、重い。
これは一体?

- 7 -

なんとか、挟まっていたスーツケースを取り出した。
開けてみると、そこには大量のお札がまた入っいた。
数えてみると3,453,500円入っていた。
すると俺はディズニーランドを貸し切れるのでは…?
そう思い、再び車を走らせるのであった。

残り3780万円。

Saghalien

- 8 -

貸切、その言葉だけを目的に車を走らせていたが、さて、簡単に貸切などできるものだろうか。
考えていなかった…

「…あ、もしもし。…はい。…はい。……ありがとうございます。」

今、完全ににやけが止まらない。
考えていなかった、とは言え、出来ないわけではなかった。
やった…!

…バッ!

「夢か…」
随分大作な夢だった。

あ、今日は給料日だ。

「え…?」

残り、一億円。

くろねこ

- 完 -

作品情報

残高、一億円。

#10378

リレー期間

2ヶ月