Desire to monopolize

ぎゅうーって 後ろから抱きしめて 何?どうしたの 急に… 私は君が好きだから ぎゅうーって してほしいの‼ いいよ。ほらっ ぎゅうーっ ぽわぁっ ん…いい匂いだね あ…有難う… 他から見たら 僕たちはただの バカップル けど… 本当は…

すずれい

13年前

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犯罪者の子供とその被害者。 僕は彼女の父親に拉致監禁されていた。 僕の妹はその時暴行を受けて死んだ。殺された。 僕も彼女もその時暴行を受けた。 服で見えないけどその時の傷はまだ残っている。 彼女の父親はその後警察に追われている間に事故死した。母親は、彼女を産んですぐなくなったらしい。 僕は彼女を恨んではいない。 何故って、彼女は何もしていないし、彼女もまた被害者だからだ。

カッツェ

13年前

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そして、僕は彼女と運命で結ばれて居ると信じて居た。 だって、こんな劇的な運命の下でさえ結ばれた恋人同士がほかに居るだろうか? いや、いない!! だから僕は、何も畏怖する事無く彼女をただひたすら愛し続けた。 彼女も同じだと、信じて居た。 いつしか僕は、彼女しか愛せない男になって居た。 そう、彼女が居なくなってしまった"今"でさえ・・・・。

snow

13年前

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彼女はある日突然いなくなった。 いなくなったというよりも、消えてしまった、といったほうがいいくらいに彼女のいた痕跡がなくなってしまった。 彼女を探そうにも、一切の荷物もなく、二人で撮ったはずの写真さえなくなってしまっていた。 彼女との仲は両親に反対されていたから、それが苦だったのかもしれない。だから、僕の前から消えてしまったのか? まだ、こんなにも彼女が愛おしいのに。 まだ、こんなにも。

リッチー

12年前

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ある日、彼女を見つけた。隣町に住んでいたらしい。慌てて彼女に会いに行った。 ずっと会いたかったよ。うん?君のそばにいる男は誰なんだい?え?彼氏?嫌だな。君の彼氏は僕じゃないか?え?あんたとはもう終わったって?何言ってるんだい。僕は終わってないよ。君の一方的な思いこみだ。待ってて。スグに終わるからさ。君、こっちにきなよ……ハァッハァッ…………さてと、終わったよ。あれ?何故そんなに怯えているんだい?

yoi523

12年前

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僕の手が赤く染まり、君の足元には一人の男が横たわる。彼女は怯えた顔で僕を見つめ、涙ながらに「どうしてっ」と声を震わせた。 君のためじゃないか。 「二人のためためだよ?」 「わたしは、あなたとはもう、おわ」 「なに?」 僕は彼女の頰を撫でる。赤く染まる。涙の筋が頰の赤の中に出来る。彼女は僕のモノ。 「行こう。帰ろう。みんな待ってんだ」 彼女の手を引き、その部屋から出る。僕の家にはうるさい人はいない。

12年前

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僕と再び巡り会えた悦びで咽び泣いている彼女の腰に手を回し、思い出がいっぱい詰まった僕の家へ案内する。 感動のあまり、足が進まないみたいだね イヤイヤって抵抗してるのは…そんなに甘えたいの?可愛いな 僕は彼女を寝室まで抱え、すぐさま彼女に覆いかぶさった。キスして欲しいんだね 僕は彼女の可愛い首筋に両手を置いてキスをした。息も出来ないほどのキス 彼女の瞳が見開かれ、ジタバタし始める。 綺麗だよ

riv-stone

12年前

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苦しそうにもがく姿も、愛おしい。 彼女の両手の爪が背中に突き刺さる。 わかってる。 抱きしめてあげるよ。 だけど、もう少し。もう少しだけ、もがく君がみたいんだ。か弱くて、小動物みたいに震える君を、見ていたいんだ…。 彼女は、静かに目を閉じた。 背中に回った手の力が抜ける。

みのり

12年前

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あぁ、そうか。君は眠ってしまったんだね。 僕の手の中で、永遠に。 そう、それでいいんだ。 君を踊らせる為の舞台は整った。 あとは、観客だけだ。 「僕だけは君をずうっと観ていてあげよ」 僕は台所に行って包丁を手に取り、その切っ先を普段服で隠している傷跡に突き立てた。 何度も、何度も、何度も! 過去なんて、僕の存在なんて、全部血の色で消えてしまえばいい。 もうすぐ、開演時間だ。

minami

12年前

- 完 -