珈琲を一口。 啜って噎せて一息。 今日も疲れた。何もない一日に。
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ショートケーキを二口。 仲直りしようよ二人とも。 今日はぐっすりおやすみ。零時が時を分けて二日。
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時計には三つの針。 いつでも一緒の僕たちは。 あなたの為に三つの時を刻みます。
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見知らぬ街の四つ角。 うつむいて四散する人々。 でも運命が交わる場所は、 必ず四方向に交差する。
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広げられた五本の指。 手のひらのてんとう虫にも五分の魂。 太陽に手を翳すイメージ。五線譜に生命のメロディを込めて。
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示された六つの道。 六道を巡る魂。 いつかまたあなたと出会えるだろうか。 その時姿形が違っても、六度目は重なるように。
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一週間の最後の日。 七日目に安らぎを、 七日目に翌週の希望を。 暦を眺めて指折り数える七日目のしるし。 二人の休みが重なるしるし。
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オクターブの音が、 八方に散り散りと。 八度離れた音は、重なり合い 高低混じり合いながら進んでいく。 あなたにもきっと届く。 八つのメロディー。
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貴方と出会う九十九の縁。 九つの歌が流れている、 珈琲香る大通りの店。 二人の話に花が咲く。 語り合う時間は急ぎ足。 第九のような歓喜の一日。
- 完 -