ゴンッ! お風呂でものすごい音がした。なんだなんだと親と私は駆けつける。と、弟が喚いていた。 「いてぇー」 声を聞いて私達は顔を見合わせる。お互いの顔に書いてある。(また寝てたな) いつものことなのだ。どこでも寝る子なのだ、うちの弟は。車、電車…すきを見つけては寝ようとする。違うな、寝てしまうのだ。 「今日は風呂上がろうとした瞬間に寝たわ。お辞儀の要領でデコ打った」 弟よ。体は大事にな。
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コツン… 「あ…ごめんなさい」 大学の講義中に堂々とうつ伏せして寝てる最中にひじが隣の…ちょいイケメンに当たってしまった 「気にしないでいぃですよ」 と微笑む,ちょいイケメン。 なぜ一個開けないで隣に座ってるんだろ… あぁダメだ眠いそんなこと別にどうでもいぃや~と眠りに落ちる私と彼の目が合ったのか否や… 私にとっては居眠りのはじまり 彼にとっては恋のはじまり
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ガクッ… うおっ、膝が折れた…。 危ない危ない、吊革捕まってなかったら思いっきりコケてた…。 やはり立ったまま居眠りこくっていうのは至難の技だな…。 達人になると目を開けて眠るらしいから、まだまだ未熟者だ。 でも、仕事に差し障るので、立ってでも眠らなければならない! 例え膝がカクッとしようとも… 全ては愛する家族の為! 妻よ!娘よ!パパは今日も頑張っているぞーっ‼
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バタン。 もう……疲れた……。 しんどくってたまらない。 私は旅人。 様々なところを歩いてきたが、もう体力の限界。 寒いし眠たい……。 誰か……。 おやすみなさい。
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あ、危ない、危ない 真ん中走ってたよ ハッと目覚めた時、私の車はセンターラインの真上を走っていた。 真夜中の田舎道で良かった。 最近、よくあるんだよね、仕事の帰り道の居眠り運転。 家までもう少しって安心感から緊張が解けて。 永遠の眠りに就かないようにコンビニで休憩してこかな…
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「寝るな」 冷たい声とともに水が頭からかけられる。 「そろそろ、限界だろう。全部、話したらどうだ」 話すも何も本当に何も知らないのだ。うまい話だと思った、怪しいとも思った。でも、どうしてもその報酬が俺には必要だったんだ。 「誰に、頼まれた?」 何度同じことを聞かれただろう。でも、本当に何も知らないのだ。そう答える力ももう無い。 眠い、このまま眠りにつきたい。 楽に、してくれ。
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ご主人の膝の上は心地良い。 本人はプニプニのももを気にしているようだけど、おいらにとっては最良の寝床だ。 ねぇ、ご主人。 おいら、死ぬならご主人の膝の上がいいなぁ。 ご主人に撫でてもらいながら、眠るように逝くなんて最高だよ。 ねぇ、ご主人。 おいら、ご主人のネコで幸せだよ。 おいらほど幸せなネコはそうそう居ないよ。 なんだか眠くなってきちゃった。 おやすみご主人、ゴロゴロにゃー。
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やっぱりさぁ、お昼過ぎたくらいって おひさまあったかくていいよねー。 芝生もぽかぽかの匂い。 うん、いい感じに風も吹いてて ほんとうちのお庭、最高。 まあ、室内犬とか憧れたりするけど 僕なかなか大きいし、毛も長いし、 こうやってのんびりするのすきだから 外でもいいよー。 あー、いいねー、この感じ。 落ちるー。眠りに落ちるわー。 …んー?パパさん? えぇ…今から? 散歩はあとにしようよー。
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私は神。 今日もゆる〜く人々の観察。 あ、お風呂で寝てる。死んじゃうよ。 あ、授業中に寝てる。おバカー。 あ、電車で寝たらダメよ。 あ、倒れた。無理がたたったな。助けてやるか。 あ、居眠り運転ダメだって!危ないなぁ。 あ、あの人死んじゃうよ。これは何とかしないと。 あ、気持ち良さそうな猫。いいな。 あ、あのワンちゃん幸せそうだ。 あー…、観察しすぎて目疲れた。 寝よう、 おやすみなさい。
- 完 -