色とりどりの、嘘

【疑惑のまち】 夜が落ちてくる 積み重ねた言葉 哀しい嘘の羅列 夜が落ちてくる 踊らされた記憶 真昼の月は嘆く 裏切り者は狂い嗤う 惑わすは狼か人か 知識が人を殺した 無知は我が身の盾 夜が落ちてくる_ 夜明けの惨劇も知らずに *嘘をテーマに詩を書いて下さい。詩のタイトルもお願いします。

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ニセモノ あぁ、見えなくなって行くよ。 本当の事。 その言葉の何が嘘でどれが本当なのかしら? まるでゆらゆら揺れる蜃気楼 ゆらゆら揺れる、君の瞳 愛してる。 そんなの嘘でしょう? 分かっているのに、うるさい心臓。 貴方はいくつの恋人を持っているの? 私だけ、貴方に本当の愛を捧ぐ。 だから私を見てよ 嘘だらけの貴方。 貴方には私の言葉も嘘に聞こえるのね だけど私は貴方を愛せずにいられない

のの芽

12年前

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【白い嘘】 それは真っ白な嘘でした 僕が傷つかないように あなたが彩った嘘でした またあえるよ 笑ったあなたが 流す涙の意味を 僕は知らない その真実を知ったとき 僕はどうするのでしょう あなたの望む通りに 笑うことが出来るでしょうか あなたのついた真っ白な嘘を 許す勇気が僕にはない

miz.

12年前

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【鎧】 それは生きていくための鎧 重ねるたびに身体にくいこみ 口にすれば心に毒の刃を刺す 最初についた嘘がはじまり それから取り繕うために纏う鎧 本当のことは嘘でからまり これは生きていくための鎧 これは私の身体の一部

12年前

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【空】 昔の親友が結婚する 手紙が届いた 幸せそうな写真を添えて 家族を持つと大変だろうな 一つ 電話が来た 楽しそうな声のあいつに 今度飲みに行こうと言った 二つ 28にもなると 人肌恋しさは薄れてくる 三つ 家を出て昼飯を買いに行く 空がこんなに青すぎると 嫌なことも全て忘れる 四つ 好きなことやって 一人でいるのが一番気楽だ 五つ 足は動く 愛するあの人の家へ

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【罪人の夢】 朝日が昇り世界を洗う 羊飼いと羊の群 大きな木のしたで眠る幼子たち 風にはためく真っ白なシーツ 森を駆ける白い馬 少女がお使いから帰ってくると やがて夜がくる 全てを塗りつぶすような 全てを覆い隠すような 濃い闇が だが月の光が照らす それを見るものを照らす そして大地にすべてが染み込んだあと また朝日が昇る

noname

12年前

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【狼少年の夜】 狼がきたよと彼がいう 狼がきたよと彼がいう 初めに告白をしたのはどの羊 待ちに待った祭りというのに 村は暢気に宴を催し 若人たちを囃し立つ 狼がきたよと彼がいう 一匹の雌羊を取り合って 二匹の雄羊が口げんか 僕はお前を裏切れない 俺はお前を裏切るぞ 狼がきたよと彼がいう あいつに言うこと何もない 羊の腕では届かない 狼少年の夜 狼少年の夜

aoto

12年前

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【本当の自分】 小さな嘘をついてしまった これくらいなら大丈夫か ばれなければ問題ない そう思っていた 嘘をつく回数が増えてしまった やめようとしてもやめられない 偽りの自分を創り出し 本当の自分をどこかに隠した 気が付けば自分が変わっていた 本当の自分はどこだろう 探しても見当たらない 本当の自分と 偽りの自分 どっちが本当で どっちが偽りなのか わからなくなった

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会えなくても平気だよ 次に会える時まで待てるから平気だよ そう言った時の君の顔を 今でも忘れられずにいる 悲しいような 苦しいような 寂しいような そのすぐ後に見せた 切ない笑顔も 本当は言いたかった 君に会えないと寂しいよ ずっと一緒にいたいよ だけど もう君に届くことはない 二度と会えなくなってしまうなら 嘘なんてつかなければよかった ねえ 今 本当の気持ちを 伝えていますか?

さつき

12年前

- 完 -