あの日に帰りたいって思う時ありませんか？ 私は最近よく思うようになりました。 たぶん、うまくいかない日々の疲れからでしょうか過去にあった楽しい記憶は美化されていくばかり…… もし、ですが 帰りたいあの日に帰れるのであれば… 叶うのならば… 貴方が帰りたいあの日とはどんな日ですか？

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俺は楽しかった何でもない日に帰りたい。 毎日が楽しくて、休みの日なんか要らねぇから早く学校に行ってみんなで遊びたかった。 授業中もふざけて怒られて、全力でくだらないことをやれる若さを持っていた。 放課後は部活に勤しんで、頑張って、でも楽しんで努力出来ていた。 何でもない、けど、とてもキラキラしたあの頃に帰りたい。 どんなことだって出来る気でいた、あの日の自分に帰りたい。

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僕は母のいた頃に帰りたい。子供の時から僕はわがままで、母に暴力を加えることも珍しくなかった。今思えば本当に僕は馬鹿だ。 僕も結婚して二児の父になったからわかる。どんなに僕が母を殴っても、僕のために食事を作り洗濯をし学費を払うため働いてくれた母の気持ちが。 母は病気で死んだ。医者は疲労からくるものだと言った。 僕のことなど無視をすれば母は今も生きていただろう。母に会いたい。母のもとへ帰りたい。

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ボクはあの子がボクの隣でカワイイ寝息を立てて寝ていた日に戻りたい。 何でもないことを言い合って笑って楽しくて輝いていたあの日。 笑いあって抱き合って、甘くてキザな言葉を囁いて、とても幸せであの子のためなら何でもできる。そんな気がした甘い甘い思い出の1ページ。 でも別れは唐突に訪れた… 振り返っても仕方ないのはわかってる。それでも戻りたい。あの子のあの笑顔をまた見たい…

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私は図書館であの人と過ごした秋の日に帰りたい。 クラスの違う友達の友達、それだけの関係だったのに何故か惹かれたのを覚えている。名前も顔も声も、まるで思い出せないけど、照れたような笑顔を見せてくれたことをまだ覚えてる。 あの日、私は何て言って話しかけたっけ。あの人は何て答えたんだっけ。 恋じゃなかった。だけど過ごした時間は、宝石みたいに今も大切な思い出。 帰れるなら、もっと話がしたい。

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僕は若かりし頃に戻りたい。何も無くてもなんでもできたあの頃に。辛くても、苦しくても何故だか前を向いていて、何故だかとても楽しかった。あの頃は若すぎて、過ちを繰り返した。成長してから分かる己の未熟さ。あの時ああすれば‥なんて今でも思う。何も得ることは出来なくて、僕は何をすべきなのか、何がしたいのか、分からなくてただ途方に暮れる今。あの頃に戻れたら。僕はまた同じ過ちを繰り返すだろうか。

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私は生まれた日に戻りたい。一切の穢れを知らず、ただ愛を一身に受けていたあの日に。 母にはずいぶん苦労をかけてしまった。今は弟の育児に追われている。 記憶は無くとも、想像できる。きっとあの日の私には、これ以上ない程の慈愛が注がれていたのだ。 初産だったし、痛かっただろう。早朝だったから、父や祖母も慌てただろう。 しかし断言できる。あの日の私は、誰からも負の感情を向けられていなかった。

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後悔と、過去への憧憬、今の否定。 ああ、ああ、なんとつまらないのだろうか。 ……私は、過去には戻りたくない。 戻ってたまるか、一日だって、1分だって、戻ってなんてやるものか。 あの黄金のように輝く日々と比べて、いかに今が無様だろうと、絶対私は戻らない。七転八倒、地面を這って、泥をすすって、血反吐を吐いても。 だってそれが。 私の生きる明日こそが。 あの日あの時、私と彼が望んだモノなのだから。

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色んな、色んな人の過去があるんだね。みんなに、大事な人がいて、大事な時間があった。輝いていた。 ……でも、実際は帰れない。そんなこと知っている。帰れないから、あの日々はあんなに輝いていた。叶わないって分かってた。 もしなんてないって分かってた。 だから…未来を見よう。未来は誰でも変えられる。明日の朝ごはんをパンにしてみようとか、明日は左足からでてみようとか。 そんなものでも、いいと思うの。

- 完 -