読書会議事録

《架空読書会のお誘い》 実在しない本のタイトルをテーマに、空想から感想、批評、考察を論じる。その様な企画があるそうで、楽しそうなのでこちらでもやってみたいと思いました。 ルールは、他の人の話を否定しないこと、だそうです。 (例:Aさんが〝猫の死が悲しかった〟と言ったのに、Bさんが〝猫は死んでない〟などとするのはNG) 今回の架空書架は 『ハリボテ・スペースシップの窓』

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宇宙飛行競争が過熱した1960年代。アメリカの宇宙飛行士ショーン・ゲイリーはソ連に残した恋人マラリアのことを思い浮かべていた。この頃の宇宙飛行士は生死のすぐ隣の職業。分かっていながらも、夢の為単身アメリカに渡り、宇宙飛行士を志願した。 ……なーんて、冒頭だけ読むとSF時代小説だと勘違いしましたよ! 実際の舞台は現代の中学校。クラスで宇宙をテーマに劇をする少年少女たちのストーリーです。

ゆりあ

7年前

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主人公は文芸部というだけで脚本係にされてしまった天川渚。任されたら嫌と言えない彼女が、クラスの嫌われ者である鵜野に協力を求めるシーンから物語は始まります。 この鵜野くんが良い性格をしてるんですよね!他人と関わる必要性をまったく感じない鵜野くんが、渚を追い出すために難しい宇宙の話を始めるところ。彼の宇宙愛が垣間見えて、そしてその話に渚が興味を抱く展開は王道的ですが、やはり胸が高鳴ります。

小声る

6年前

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知識の鵜野と実働の渚。2人が編み上げた物語を、一癖も二癖もあるクラスメイトが具現化する過程を描きます。 小道具の沢渡ちゃんがお気に入りです。ちょくちょく鵜野にアピールして、上手くいかずションボリするのが可愛らしい。それにしても中盤までの鵜野くんは本当に愛想悪いです(笑) 劇準備がメインなのでトラブル関連の緊迫する展開も多く、こういう小休憩みたいな場面で読み手のドギマギが調整されている印象です。

Joi

6年前

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私は迎田くんが好きですね、大道具担当の。彼の作る舞台装置が面白い。 本人はちょっと無口で誤解されがちですが、様々なアイデアで渚の描く宇宙旅行を表現していく。鵜野と同じく、彼もまた宇宙に魅せられた少年です。 全体としては、色々詰め込みすぎでは?と思うほど青春がたっぷり。 それでもページをめくる手が止まらないのは流石の一言、作者の技量が光ります。特に劇本番の描写は必読です。 ぜひ一気読みしたい一冊。

ぽふ

6年前

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みんなの担任である迫田もいい味出してますよね!もともと頭お花畑な彼女は渚が発案した物語を遠距離恋愛の自分と恋人の関係になぞらえてあれこれ空想を楽しんでましたが、鵜野をはじめとするクラスメイトがリアリティや共感性を上げようと試行錯誤する姿を見るうちに、彼女自身も恋人との関係を省みるようになり..... 子どもたちだけでなく、大人たちもそれぞれの成長を遂げる様が魅力的な一冊です。

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舞台化に推しが出ると聞いて読んできました。普段は小説読まないので新鮮な気持ちになりました。ぽふさんの言う通り劇本番は最高です。ショーンとショーン役刈谷って美味しいキャラですね。推しおめでとう。他にもイケメンがいっぱいいて女受けが良い理由を悟りました。1番泣いたのは最後テロリストに成り下がった刈谷がロシアで天川に会えたシーン。私の中では風立ちぬを超えました。刈谷のペロリストになります。ぺろぺろ。

5年前

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舞台化に続いて漫画化された本作を読んだので、原作本を購入しました。 学園ジュブナイルものは私の大好物なので引き込まれましたね! 登場人物の関係も懐かしさ満載でした。 キャラクター、特に舞台美術担当の要さん。アクの強い仲間たちを纏めながらも彼女もかなりミステリアスなところがあって、ラスト…あぁ、これはネタバレになるので、是非本を読んでみてください。終盤の展開はページをめくる手が止まりませんでした。

Ellie

5年前

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本書は先日開催された架空書架読書会の記録である。 後書きとして参加者等の情報を記載しておく。 主催:金春こんぺい燈氏 参加者:ユリア氏、小声る氏、Joi氏、ぽふ氏、成田佳魯氏、垢壊れた氏、Ellie氏 後書き:Laito 課題書架『ハリボテ・スペースシップの窓』 舞台化、漫画化もされた人気作品。 個性豊かなキャラクター達が時に助け合い、時に衝突しながらも舞台成功のために頑張る青春小説である。

Laito

5年前

- 完 -