ティッシュをティシュたらしめる、日本語感的考察

通称ちり紙。家で使うようなボックス型のものと、広告目当てに配っているポケット型のものに大別できる。この季節には花粉症やら季節外れのインフルエンザやらでお世話になっている人も多いだろう。 これを何という?大抵の人はこう返す。「ティッシュ」と。 けれど待ってくれ。近くにボックス型のそれがあるなら製品名を見てくれないか。 「ティッシュ」ではない、「ティシュ」もしくは「ティシュー」なんだ。

U#

8年前

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日本人よ、何故だ! と外国の方は白板の前で怒るかもしれない。 しかし、日本人とて反論はある。 そもそも日本語にティとシュを続けて発音する言葉がない。即ち言いにくいのだ。 言葉にしにくい日本語は間に小さい”ッ”を入れるというのが慣習としてある。 エ◯チ、セ◯クス、ビ◯チ、ファ◯ク……。 ほら見たことか。 え、言いにくいってそういうのじゃないって……。 ま、まあ、とりあえずそういうことなのだ。

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ここでティッシュとは何語か、綴りはどうかなど、調べ出せば正体に近付けるやも知れん。ただ、少しばかり可哀想ではないか。何か追い詰めてしまう感じがする、ティシュ達を。そういうのは良くない。だから調べない。 「ティッシュとって」 「ティシュとって」 「ティシューとって」 友好的視点で展開したい。ティッシュは言い易さにおいて群を抜いおり、あだ名に適している。フレンドリーでいいよね。そう思わないか。

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ところで、日本においてこれらは外来語とされる。たとえ出身が海のあちら側であっても、国籍は日本だ。この島国に入国し、カタカナに変換され、アクセントや発音がズラされた時点で日本語なのである。英も米も仏も嘗ての地なり。 しかし外来語はやはり他とは勝手が違う。輸入品なのだ。 そこで我々は迷う。一人ひとり迷う。 これ、なんて発音すんの、と。 自分はティッシュ派だが、隣の誰かはティシュー派やも知れん。

歴生

8年前

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ティッシュ派だが、自分なりのケリをつけたい。 要は正式名称からティッシュになるまでの過程を洗い出して納得すれば良いだけだ。 日本工業規格──JISは言葉を伸ばす『ー』を使わない。コンピューターはコンピュータに、ティシューはティシュに変わる。 だが、日常会話で「ティティシュティシュ」「ティシュ⁈」「ティシュシュ‼︎」は少しキモい。 故に『ッ』を入れて当該名詞の汎用性を高めたのである。

Joi

6年前

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なるほど ・正確なのはティシュ ・『ッ』を入れて言いやすくしたのが「ティッシュ」 マクドナルドの略が「マク」では無く「マック」であるのもコレだろう。 だが我々は知っている。世の中には「マクド」派も存在することを。 呼び名など千差万別。ちり紙、鼻紙など、日本産の言い方もある。だのに私の周りは「ティッシュ」派が殆どだ。 なぜ皆「ティッシュ」が大好きなのだろうか? やはりフレンドリーなのか?

ぽふ

5年前

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「ティッシュ」という音の響きや言いやすさに、日本人の大半が親しみを感じているのは間違いないですね。 特に若い人の支持率はかなり高いです。 若い人は年配の方がたまに「ちり紙」や「鼻紙」と言うと、すぐに鼻で笑ったり馬鹿にしたり陰口を言ったりしますね。 加えて、お年寄りが「テッシュ」なんて言おうものなら、それこそ鬼の首を取ったような騒ぎ方をします。 つまり、これらの言い方は愛されてはいないわけです。

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そこで私は、いや我々は、思考し。ある種の答えを導き出さねばならないのではないのではないだろうか? 正式名称『ティシュ』今やこの製品は無くてはならない物の一つであり、輸入され、日本へと来日してきたことにより、「○紙」や "ッ" とあまりにも悲劇的な変化を遂げてきた。いや、正確には成れ果てたのだろう。日本人の業により。 我々は思考し、ある種の答えを導き出さなければならない。一つの答えを得るために。

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それは、このパラグラフにおける、最大の論点であった、なぜティッシュなのかという疑問である。 さて、ティシュー派の方々にはご一考いただきたい。 ティシューをティッシュたらめるのは、我々の中に存在する、自他楽な鼻をかめ精神ではないかと。 ティッシュでもティシュでも、ティシューでも、いいじゃない。だってみんな、あの、箱にはいっている紙なんだもの。 このパラを読んだ皆様にはぜひ、鼻をかんでいただきたい。

うつぼ

3年前

- 完 -