名探偵ペンタ
この事件はとある『ペンギン』の行動から
始まってしまった……
ある日、雲海水族館で働いていた
飼育員『優希』が殺害されていたのだ…
警察の調査は難航していた…
そこにある探偵が来た。その名は
名探偵『ペンタ』と名乗る男…
ペンタは言った。
「この事件の現場、最初はどんな感じでしたか?また凶器は?」
警察は答えた。
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「第一発見者のマキさんによると、現場は蒸し暑く、床がびしょ濡れだったそうだ。死因は撲殺だか、凶器は見つかっていない」
「暑い、びしょ濡れ…凶器は氷かもしれないペン」
「あ、けさ冷氷室が開きっぱなしでした!」
ペンタに触発され、飼育員マキが叫ぶ。
「やはり、だペン」
「…って感じにやってほしいのよ」
「喋るペンギンに何期待してるペンよ」
真木とペンタは新しいショーの打ち合わせ中。
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「それにしても、『優希』さん遅いっすね」
「仕方ない。ちょっと、見てくるペンよ…」
「ぎゃーーーあぁ! だペン」
これはタダごとでは無い。叫びはロッカーの方から聞こえて来た。もしかして、そんな、まさか…!
ショーステージから、控え室に通じる扉…そして十字路を右手に進む。床には水滴の様な物と、どす黒い何かが突き当りまで続き、周囲に生臭さも立ち込めていた。
ロッカー室で『優希』が死んでいた。
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「死亡推定時刻は午後5時半から6時の間。第一発見者のペンタさんによると、閉園後の打ち合わせを行っていたペンタさんと真木さんが打ち合わせ開始時刻を過ぎても顔を出さない被害者を不審に思い現場へ駆けつけた所、殺害された被害者を発見した、と?」
「ええ、警部さんの言う通りだペン…」
「はい、その通りです…。ロッカー室はもう、血だらけで、酷くって…」
「ま、まさか本当に殺人事件が起こるとは…、だペン」
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……しかも、ショーでやる『名探偵ペンタ』の脚本とそっくりだペン。
マキ役と名探偵ペンタ役が逆なだけペン。
このことを刑事さんに言ったら、脚本を考えた真木さんが疑われるかも知れんペン!
でも、第一発見者の僕も疑われて当然だペン。しゃべるペンギンなんて自分でも怪しすぎペンよ……。
優希さん。なんで死んじゃったペン。
いつもみたいに「パッと決めてパッと動けぃ!」って笑って欲しいペン……。
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そうだ!
パッと決めてパッと動かないと、今は亡き優希さんに叱られちゃうペン。
そう思ったペンタは、捜査責任者であろう警部の所まで行くと希望を伝えた。
「怪しいとお思いだとは思いますが、ボクも推理捜査をしてもいいですペンか?」
「なんですと〜? あなたは第一発見者なんだから、おとなしく別室での事情聴取に応じてくれてればいいんですよ!」
当然、そう警部から追っ払われたので、ペンタは別室へ向かった。
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飼育員やペンギン達の壁写真が目に入った。優希の笑顔に涙がこぼれそうになる。
「ペン!」
両翼で身を打ち、ペンタはしゃんとした。
…必ず犯人を見つけるペンよ。
現場に凶器はなく、濡れていた、脚本と同じだペン。
でも違いもあるペンね。
蒸し暑くなく、魚みたいな生臭さが漂って…魚⁈
まさか凶器は凍った魚で、犯行後に犯人が丸呑みに…?
…犯人はペンギンの中にいるペン⁈
ペンタの足がペンギン舎へ向いた。
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ペンギン舎に行くと、ペンギン達が1ヶ所に集まっていた。その輪の中で、仲間のペン美がお腹を押さえて苦しんでいる。
「みんな、ペン美からお腹のモノを吐かせるペン!」
何羽かがお腹を押したり背中を摩ったりすると、ペン美は凍った魚を吐き出した。
「やはり…犯人はキミだペンね!」
ペンタがペン美を指差す。
ペン美は涙目で言った。
「だって…だって、優希さんが私を捨てて、マキと結婚するって言うから!」
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泣き崩れるペン美のなで肩に、ペンタはそっと右フリッパーをかける。
「これにて事件解決!だペン」
ペンギン達からペタペタと拍手が沸き起こる。脚本を書いた真木もご満悦だ。
「みんな、良い演技だったわ。優希君の死体役もね」
優希は照れ臭そうに頭を掻いている。
「僕も台詞欲しかったな。明日の本番は彼女が観に来るんですよ」
その時、ペン美の瞳の奥に偽りのない殺意が宿ったことに、誰も気付いてはいなかった。
- 完 -
作品情報
名探偵ペンタ
#15970
- リレー期間
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12年4ヶ月