水
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「万物は水から生まれた」と語ったのは古代ギリシャの哲学者、タレスであった。 例えば、日本神話やエジプト神話では沼(?)から神が生まれている。 ギリシャ神話の最初の情景、混沌も万物が溶けた水と言える。 メソポタミアでは淡水の男神と海水の女神の交わりから神々が生まれ、その神々が淡水と海水を征伐するという治水と戦争を軸にした世界創造を描いている。 このように水が全ての始まりなら、終わりは何なのだろうか?
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火
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憎しみの炎がすべてを焼き尽くしていく。激しい戦火にのまれながら、人間はかつての美しい故郷の姿を思い出し涙をながすだろう。そのわずかな水滴すら、炎が覆い隠してしまうだろう。 愚かな人々は、この星を少しずつ火にくべる。地球は美しく爆ぜながら、終わりの時を待っている。 このように全てが燃え尽きたら、その後に残るのは何だろうか?
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土
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生と死が混在する世界。 生き物を眠りにいざない、その眠りを見守る優しい空間。また、そこから生まれた生き物や、その中で暮らす生き物の成長を促すもの。 そこで育った生き物は、やがて熱い灯火を胸に燃やして大きな世界へと旅立つ。土は残熱を静かに、ただ静かに冷ましていくのみ。 時に冷たく、そして優しく、何よりもあたたかい。 このように柔らかく包まれたら、全ての人々の心は救われるのだろうか?
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風
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頬を伝う、その空気の流れが、人の心に爽やかさを伝える。 それを人は「そよ風」と名付けた。 荒れ狂う天候の中、建物も何もかもを爆ぜ飛ばす勢いに人々は逃げ惑うしかない。 それを「暴風」と呼び人々は恐怖した。 戦いが長引き、もうどうすれば勝利するのか分からず、自ら行う手段に狂気を足さねばならぬと覚悟した者が指導を始める。 命じられた者も覚悟した。 それを「神風」と仰ぎ、飛び立つ人に手を振り見送った。
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💧 🌀 {四大元素} 🔥 🌱
- 完 -