第4回架空読書会・『魔法のランプで灼く絨毯』

《架空読書会のお誘い》 実在しない本のタイトルをテーマに、空想から感想、批評、考察を論じる。その様な企画があるそうで、楽しそうなのでこちらでもやってみたいと思いました。 ルールは、他の人の話を否定しないこと、だそうです。 (例:Aさんが〝猫の死が悲しかった〟と言ったのに、Bさんが〝猫は死んでない〟などとするのはNG) 今回の架空書架は 『魔法のランプで灼く絨毯』

- 1 -

この絵本、子供用なんですが大人にも感じるものがありました。 ランプの魔人と主人公の友情が泣けてきます! 最高でした!

- 2 -

結論から言うとトラウマ過ぎて泣いた。何故主人公と魔人以外のみんなは死ななきゃいけないのか?作者の脳に問う。 そもそも第3巻の巻末人気投票で1位から5位のキャラを順番に殺してどうすんの!もう殺される結末知ってるのに読むのが止まらない絶望とか新感覚過ぎる。 友情、確かにそこには深い友情があったかもね。でも…あんなランプなら要らないわ私。 『マホヤク』シリーズは『ハリスペ』より面白いのは認めるけどさ。

5年前

- 3 -

あの……うちの娘は人気投票2位の"マア"が好きなんですけど、彼女の最期のシーンは「川に落ちて誰かに腕を掴まれる」ところで終わるじゃないですか。娘はその部分を読んで、「この後マアは引き上げられて助かる」と思ったみたいなんですけど、私は「引きずり込まれて死ぬ」んだと思いまして。 大人なら察せられる暗示も子どもにはまだ分からないから、「キャラクターの死を子どもに悟らせない」ところが上手いと感じました。

秋月

5年前

- 4 -

アラジンみたいなタイトルだと思ったのですが、原作の方を参考に作った話みたいですね。魔法の絨毯がダブルミーニングであれのことも暗喩していたのだと、読後にゾッとしました。燃えた絨毯の火の粉が蛍のように天に帰るシーンは好きですけど。 キャラが魅力的なのにテンポ良く死んでいく理不尽さはありますが、どの死に方も基本被らず綺麗なのはさすがです。ちなみに人間の生々しい本性が描かれるハリウッドサスペンスもスキ。

ゆりあ

5年前

- 5 -

なんていうか…、この本深いですね。 登場人物が次々死んだことには賛否両論あるみたいですけど、私は終わり方に納得できました。 そもそも2巻の魔術師の言葉の伏線を回収するには全員死ぬしか無いんですよね。 安易な救いを示すよりもこういう風に理不尽に世界に翻弄される登場人物を描いた方がリアルで良いと思います。 大人になってから読むと子供の時に読んだのとはまた違った読後感ですね。何度も読み返したい本です。

sheiro

4年前

- 6 -

私はガル・バランダ卿に惹かれました。 あらゆる悪巧みには何かしら絡んでいて、主人公と対峙する場面が比較的多い人物です。 「そのランプがトランプ(切り札)だ!」とか「お前の行き場は墓場となろう!」とか「問題は大問題が引き起こす!」などのヒントなんだかアドバイスなんだか分からないような事を主人公に語る所も面白みがあると感じました。 彼の壮絶な殺され方も印象に残っている読者も数多いのではないでしょうか。

- 7 -

映画を見て、原作も最近読み終わりました。 主人公は映画では心優しい少年として描かれましたが、原作を読むと主人公の人気が少ない理由がわかりました。大事な場面での優柔不断な性格にはやきもきさせられました。特にマアの最期とか。 ガル·バランダ卿も悪事に関わっていましたが、最終的には主人公の出した被害が多いという皮肉も外国小説ならではですね。 映画の後編では、原作の怒涛の展開をどう回収するのか楽しみです。

chabin

8ヶ月前

- 8 -

この作品で特筆すべきなのは、多くの人間が死ぬという、ともすればスプラッタ小説や推理小説とも取られかねない作品の中でメインテーマが『友情』であることが明らかなことに尽きる。 目を覆いたくなるような暴力的な世界の中で、それでも友情が一際強く輝く。 魔人と主人公の会話シーンは少ない方だというのに、こうして読めるのはひとえに作者の才能だと思う。 作者の他の作品も読んでみたくなる、忘れられない一冊になった。

ホムラ

5ヶ月前

- 完 -